JAJSID4B November 2019 – May 2021 DRV8899-Q1
PRODUCTION DATA
PWM スイッチング周波数に起因する電力損失はスルーレート (tSR)、電源電圧、モータの RMS 電流、PWM スイッチング周波数で決まります。各 H ブリッジの立ち上がり時間のスイッチング損失と立ち下がり時間のスイッチング損失はEquation6 とEquation7 のように計算されます。
tRISE_PWM と tFALL_PWM はどちらも VVM/ tSR として近似されます。各種パラメータの値を代入した後、105V/µs のスルーレートと 30kHz の PWM 周波数を仮定すると、各 H ブリッジのスイッチング損失は以下のように計算されます。
全スイッチング損失 (PSW) は立ち上がり時間のスイッチング損失 (PSW_RISE) と立ち下がり時間のスイッチング損失 (PSW_FALL) の合計の 2 倍として以下のように計算されます。
立ち上がり時間 (tRISE) と立ち下がり時間 (tFALL) はスルーレート (tSR) の標準値に基づいて計算されます。このパラメータは、電源電圧、温度、デバイス間のばらつきに基づいて変化することが予想されます。
スイッチング損失は出力スルーレートに反比例します。10V/µs のスルーレートは、105V/µs のスルーレートの約 10 倍のスイッチング損失をもたらします。しかし、スルーレートが小さいほど、ドライバの EMC 性能は向上する傾向があります。アプリケーションに適したスルーレートを決定するには、トレードオフを慎重に分析する必要があります。
スイッチング損失は PWM スイッチング周波数に正比例します。アプリケーションでの PWM 周波数は電源電圧、モータ・コイルのインダクタンス、逆起電圧、オフ時間 (スマート・チューン・リップル制御減衰モードの場合はリップル電流) で決まります。