JAJSL44 March 2023 DRV8952
PRODUCTION DATA
以下の計算では、電源電圧が 24V、フルスケール電流が 5A、立ち上がり / 立ち下がり時間が 140ns、入力 PWM 周波数が 30kHz の使用事例を想定しています。
全消費電力は主な 3 つの要素 (導通損失 (PCOND)、スイッチング損失 (PSW)、静止電流による電力損失 (PQ)) で構成されます。
導通損失 (PCOND) は、式 8 に示すように、モーターの RMS 電流 (IRMS)、ハイサイド・オン抵抗 (RDS(ONH))、ローサイド・オン抵抗 (RDS(ONL)) で決まります。
セクション 8.1.2.1 に示されている代表的なアプリケーションの導通損失は、式 9 のように計算されます。
PWM スイッチング周波数に起因する電力損失は、出力電圧の立ち上がり時間 / 立ち下がり時間 (tRF)、電源電圧、モーターの RMS 電流、PWM スイッチング周波数で決まります。各 H ブリッジの立ち上がり時間と立ち下がり時間のスイッチング損失は、式 10 と 式 11 のように計算されます。
各種パラメータの値を代入した後、各 H ブリッジのスイッチング損失は次のように計算されます。
ステッパ・モーター・ドライバの合計スイッチング損失 (PSW) は立ち上がり時間のスイッチング損失 (PSW_RISE) と立ち下がり時間のスイッチング損失 (PSW_FALL) の和の 2 倍として以下のように計算されます。
出力の立ち上がりと立ち下がりの時間 (tRF) は、電源電圧、温度、デバイス間のばらつきに基づいて変化すると予想されます。
VCC ピンが外部電圧に接続されているとき、静止電流は標準値で 4mA です。電源電圧によって消費される静止時電流による消費電力は、以下のように計算されます。
値を代入すると、静止時の電力損失は以下のように計算されます。
静止電力損失は、動作電源電流 (IVM) の標準値を使用して計算されます。この値は電源電圧、温度、デバイス間のばらつきによって変化します。
全消費電力 (PTOT) は導通損失、スイッチング損失、静止電力損失の合計として 式 17 のように計算されます。