データシートに規定する接合部から周囲への熱抵抗 RθJA は、おもに各種ドライバの比較または熱性能の概算に役立ちます。しかし、実際のシステム性能は、PCB 層構成 (スタックアップ)、配線、ビア数、サーマル・パッド周りの銅面積に応じて、この値よりも良くなったり、悪くなったりします。ドライバが特定の電流を駆動する時間の長さもまた、消費電力や熱性能に影響を与えます。ここでは、定常状態および過渡熱条件での設計方法について考察します。
このセクションのデータは、次の基準を使用してシミュレーションしたものです。
HTSSOP (DDW パッケージ)
- 2 層 PCB (サイズ 114.3 × 76.2 × 1.6mm)、標準 FR4、1 オンス (35µm 銅箔厚) または 2 オンス銅箔厚。サーマル・ビアはサーマル・パッドの下にのみ配置 (13 × 5 サーマル・ビア・アレイ、1.1mm 間隔、0.2mm 直径、0.025mm 銅メッキ)。
- 上層:HTSSOP パッケージ・フットプリントと銅プレーン・ヒートシンク。シミュレーションでは、上層の銅箔面積を変化させています。
- 下層:ドライバのサーマル・パッド下のビアで熱的に接続されたグランド・プレーン。下層の銅箔面積は上層の銅箔面積によって変化します。
- 4 層 PCB (サイズ 114.3 × 76.2 × 1.6mm)、標準 FR4。外側のプレーンは 1 オンス (35µm 銅箔厚) または 2 オンス銅箔厚。内側のプレーンは 1 オンスで一定。サーマル・ビアはサーマル・パッドの下にのみ配置 (13 × 5 サーマル・ビア・アレイ、1.1mm 間隔、0.2mm 直径、0.025mm 銅メッキ)。
- 上層:HTSSOP パッケージ・フットプリントと銅プレーン・ヒートシンク。シミュレーションでは、上層の銅箔面積を変化させています。
- 中間層 1:サーマル・パッドとビアで熱的に接続された GND プレーン。グランド・プレーンの面積は、上面の銅箔部分の面積によって異なります。
- 中間層 2:電源プレーン、熱的接続なし。電源プレーンの面積は、上面の銅箔部分の面積によって異なります。
- 下層:TOP プレーンおよび内部 GND プレーンからビア・スティッチングで熱的に接続された信号層。下層のサーマル・パッドは上層の銅箔部分と同じサイズ。
DDW パッケージについてシミュレーションした基板の例を 図 9-1 に示します。表 9-1 に、各シミュレーションで変化させた基板の寸法を示します。
表 9-1 DDW パッケージの寸法 A銅 (Cu) 面積 (cm2) | 寸法 A (mm) |
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2 | 19.79 |
4 | 26.07 |
8 | 34.63 |
16 | 46.54 |
32 | 63.25 |