JAJSH49C March 2019 – April 2024 DS90UB953A-Q1
PRODUCTION DATA
FPD-Link III デバイスのプリント基板レイアウトおよび層構成は、デバイスに低ノイズの電源を供給するように設計する必要があります。また、優れたレイアウト手法としては、不要な浮遊ノイズ、帰還、干渉を最小限に抑えるために、高い周波数または高レベルの入力と出力を分離するようにします。外部バイパスには、高品質誘電体を使用した低 ESR のセラミックコンデンサを使用する必要があります。セラミック コンデンサの電圧定格は、使用する電源電圧の 2 倍以上にします。
寄生成分が小さい表面実装コンデンサを推奨します。1 つの電源ピンに複数のコンデンサを配置する場合は、容量が小さいコンデンサをピンの近くに配置します。また大容量コンデンサを電源の入り口部分に配置してください。低周波スイッチング ノイズを平滑化する容量は 47μF~100μF の範囲が一般的です。電源ピンとグランド ピンは電源層およびグランド層に直接接続し、また、バイパス コンデンサは電源層およびグランド層に接続することを推奨します。また、コンデンサの両端にビアを配置することも推奨します。電源ピンまたはグランド ピンからプリント基板表面でバイパス コンデンサへ配線を行うと、寄生インダクタンスを増加させてしまいます。
外付けのバイパス コンデンサは、X7R 特性の小型チップ コンデンサ、0603 や 0402 などを推奨します。寸法が小さいため、コンデンサの寄生インダクタンス分も小さいという利点があります。なお設計の際には、通常 20MHz~30MHz の範囲にある外付けバイパス コンデンサの自己共振周波数に注意してください。また効果的なバイパスを行うために、複数のコンデンサを用いて、対象となる周波数に対する電源系のインピーダンスを下げる手法がしばしば使われます。高周波のインピーダンスを下げるため、電源ピンまたはグランド ピンから各層に対して 2 つのビアを設けます。
デバイスによっては、内部の回路部分ごとに電源ピンとグランド ピンが分離されているものがあります。電源系を分離する目的は、スイッチング ノイズの影響を回路間で遮断するためです。このようなデバイスに対して、通常、プリント基板の層を分ける必要はありません。通常、ピン説明表には、どの回路ブロックがどの電源ピンのペアに接続されているかに関する指針が記載されています (詳細については、「ピン構成および機能」を参照)。なお場合によっては、PLL のようなノイズに敏感な回路部分にクリーンな電源を供給するために、外部フィルタを用います。
プリント基板は、専用のグランド層を含む 4 層以上のものを採用してください。CSI-2 ラインから Rx 入力ラインへの結合を防止するため、CSI-2 信号はシングルエンドまたは差動 FPD-Link III RX 入力トレースから離して配置します。通常、同軸相互接続には 50Ω のシングルエンド インピーダンス、STP 相互接続には 100Ω の差動インピーダンスを推奨します。密結合のラインでは、カップリング ノイズはレシーバ端でコモン モードとして現れるため除去されます。また、放射ノイズが少ない利点も備えます。