JAJS856G november 1999 – march 2023 LM2596
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
このセレクション・ガイドでは、連続モードでの動作に適したインダクタ値を選択しますが、低電流アプリケーションや高入力電圧の場合は、不連続モードの設計のほうが適切な場合もあります。不連続モードの設計では、物理的に小さなインダクタを使用でき、インダクタンス値も連続モードの設計と比べて半分から 1/3 しか必要としません。不連続な設計では、ピーク・スイッチ電流とインダクタ電流が大きくなりますが、このような低い負荷電流 (1A 以下) でも、最大スイッチ電流は依然としてスイッチ電流の制限を下回ります。
不連続動作では、連続の設計とは電圧波形が大きく異なる可能性があります。出力ピン (スイッチ) の波形には、多少の減衰した正弦波リンギングが存在することがあります (図 9-14 を参照)。このリンギングは不連続な動作においては正常なもので、帰還ループの不安定性から起きるものではありません。不連続動作では、スイッチとダイオードのどちらも導通しておらず、インダクタ電流が 0 に低下する期間があります。この期間は、インダクタとスイッチ / ダイオードの寄生容量の間を少量のエネルギーが循環し、特徴的なリンギングが発生することがあります。このリンギングは通常、振幅が入力電圧を超えるほど大きくならない限りは問題になりません。入力電圧を超えるような場合でも、損傷を引き起こすようなエネルギーはごくわずかです。
この特徴的なリンギングの量は、インダクタの種類やコアの材質によって異なります。フェライト・コア・インダクタはコア損失が非常に小さいため、最もリンギングが大きくなります。鉄粉を使用するインダクタはコア損失が大きいため、リンギングは小さくなります。必要に応じて、直列 RC をインダクタと並列に配置し、リンギングを抑制できます。