JAJS856G november 1999 – march 2023 LM2596
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
出力をフィルタリングし、レギュレータのループ安定性を実現するには、出力コンデンサが必要です。スイッチング・レギュレータ・アプリケーション用に設計された、低インピーダンスまたは低 ESR の電解またはソリッド・タンタル・コンデンサを使用する必要があります。出力コンデンサを選択するとき、重要なパラメータは 100kHz の ESR、RMS リップル電流定格、電圧定格、容量値です。出力コンデンサでは、ESR の値が最も重要なパラメータです。
出力コンデンサには、上限および下限を持つ ESR 値が必要です。出力リップル電圧が低い場合は、ESR 値が低い必要があります。この値は、許容される最大出力リップル電圧、通常は出力電圧の 1%~2% によって決定されます。ただし、選択したコンデンサの ESR が非常に低いと、帰還ループが不安定になり、出力が発振する可能性があります。表に記載されているコンデンサ、または類似の種類を使用すると、あらゆる条件で適切な設計を行えます。
出力リップル電圧が非常に低い (15mV 未満) ことが要求される場合は、セクション 9.1.6 にあるポスト・リップル・フィルタについての記述を参照してください。
アルミ電解コンデンサの ESR 値は、容量値とその電圧定格に関係します。ほとんどの場合、高電圧の電解コンデンサほど ESR 値が低くなります (図 9-2 を参照)。多くの場合、出力リップル電圧を低くするには ESR 値も低いことが必要で、そのためには電圧定格が非常に高いコンデンサが必要です。
多くの場合、各種のスイッチャ設計の出力コンデンサを、3 種類か 4 種類のコンデンサ値と、いくつかの異なる電圧定格のみで満たすことができます。標準的なコンデンサ値、電圧定格、メーカーのコンデンサ・タイプについては、表 9-3 と表 9-4 を参照してください。
温度が -25℃を下回るときは、電解コンデンサをお勧めしません。温度が低いと ESR が劇的に増加し、通常は -25℃で 3 倍、-40℃では 10 倍になります。図 9-3 を参照してください。
低温時の ESR 仕様がはるかに優れていることから、温度が -25℃未満のときはソリッド・タンタル・コンデンサをお勧めします。