JAJST00 February 2024 LMR38015
PRODUCTION DATA
LMR38015は、インダクタ電流のピークと谷の両方で、サイクル毎の電流制限により過電流状態から保護されています。過熱を防ぐために、障害状態が持続した場合にはヒカップ モードで動作します。
ハイサイド MOSFET 過電流保護機能は、ピーク電流のモード制御の性質を利用して実装されています。ハイサイド スイッチ電流は、ブランキング時間の設定後に ハイサイドがオンになったときに検出されます。ハイサイド スイッチ電流は、スイッチング サイクルごとに、誤差アンプ (EA) 出力からスロープ補償を引いた値と比較されます。ハイサイド スイッチのピーク電流は、一定の値をとる、クランプされた最大ピーク電流スレッショルド ISC_LIMIT によって制限がかかります。
ローサイド MOSFET を通過する電流も検出され、監視されます。ローサイド スイッチがオンになると、インダクタ電流は減少し始めます。ローサイド スイッチは、その電流が ローサイド電流制限 ILS_LIMIT 以上の場合、スイッチング サイクルの終わりにオフになります。ローサイド スイッチがオンに保持されると、インダクタ電流はローサイド電流制限 ILS_LIMIT 以下になるまで減少し続けます。そうすると、ローサイド スイッチはオフになり、ハイサイド スイッチがオンになります。以下の図に、過電流状況でのデバイスの動作を示します。最大負荷電流を計算するには、式 7 を使用します。
帰還電圧が VREF の 40% を下回ると、カウンタがアクティブになります。ローサイド スイッチを流れる電流によって ILS_LIMIT が 256 サイクル連続でトリガされると、デバイスはヒカップ モードに入ります。ヒカップ モードでは、コンバータはシャットダウンされ、ヒカップ期間 THICCUP (標準値 76ms) の間オフに保持された後、LMR38015 はソフト スタートを再試行します。それでも過電流または短絡によるフォルト状態が続く場合は、フォルト状態が解消されるまでヒカップが繰り返されます。ヒカップ モードは、重度の過電流状態での消費電力を低減し、過熱およびデバイスへの過剰な電気的ストレスの可能性を防止します。
FPWM バージョンでは、インダクタ電流は負方向に流れることがあります。この電流がローサイドの負電流制限 ILS_NEG を超えると、ローサイド スイッチがオフになり、ハイサイド スイッチが直ちにオンになります。この動作は、ローサイド スイッチを過剰な負電流から保護するために使用されます。