JAJST00 February   2024 LMR38015

PRODUCTION DATA  

  1.   1
  2. 特長
  3. アプリケーション
  4. 概要
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 6.1 絶対最大定格
    2. 6.2 ESD 定格
    3. 6.3 推奨動作条件
    4. 6.4 熱に関する情報
    5. 6.5 電気的特性
    6. 6.6 システム特性
    7. 6.7 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 7.1 概要
    2. 7.2 機能ブロック図
    3. 7.3 機能説明
      1. 7.3.1  固定周波数のピーク電流モード制御
      2. 7.3.2  可変出力電圧
      3. 7.3.3  イネーブル
      4. 7.3.4  スイッチング周波数および同期 (RT / SYNC)
      5. 7.3.5  パワー グッド フラグの出力
      6. 7.3.6  最小オン時間、最小オフ時間、および周波数フォールドバック
      7. 7.3.7  ブートストラップ電圧
      8. 7.3.8  過電流および短絡保護
      9. 7.3.9  ソフト スタート
      10. 7.3.10 サーマル・シャットダウン
    4. 7.4 デバイスの機能モード
      1. 7.4.1 自動モード
      2. 7.4.2 強制 PWM 動作
      3. 7.4.3 ドロップアウト
      4. 7.4.4 最小スイッチ オン時間
  9. アプリケーションと実装
    1. 8.1 アプリケーション情報
    2. 8.2 代表的なアプリケーション
      1. 8.2.1 設計要件
      2. 8.2.2 詳細な設計手順
        1. 8.2.2.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
        2. 8.2.2.2 スイッチング周波数の選択
        3. 8.2.2.3 可変出力用 FB
        4. 8.2.2.4 インダクタの選択
        5. 8.2.2.5 出力コンデンサの選択
        6. 8.2.2.6 入力コンデンサの選択
        7. 8.2.2.7 CBOOT
        8. 8.2.2.8 外部 UVLO
        9. 8.2.2.9 最大周囲温度
      3. 8.2.3 アプリケーション曲線
    3. 8.3 設計のベスト プラクティス
    4. 8.4 電源に関する推奨事項
    5. 8.5 レイアウト
      1. 8.5.1 レイアウトのガイドライン
        1. 8.5.1.1 グランドと熱に関する考慮事項
      2. 8.5.2 レイアウト例
  10. デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 9.1 デバイス サポート
      1. 9.1.1 サード・パーティ製品に関する免責事項
      2. 9.1.2 開発サポート
        1. 9.1.2.1 WEBENCH® ツールによるカスタム設計
    2. 9.2 ドキュメントのサポート
      1. 9.2.1 関連資料
    3. 9.3 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    4. 9.4 サポート・リソース
    5. 9.5 商標
    6. 9.6 静電気放電に関する注意事項
    7. 9.7 用語集
  11. 10改訂履歴
  12. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

インダクタの選択

インダクタを選択するためのパラメータはインダクタンスと飽和電流です。目的のピーク ツー ピーク インダクタ リップル電流がデバイスの最大出力電流定格の 20%~40% の範囲に収まるように、インダクタを選択します。経験上、インダクタのリップル電流の最適な値は最大負荷電流の 40% であることがわかっています。このデバイスで利用可能な最大電流よりも最大負荷電流の方がはるかに小さいアプリケーションの場合でも、リップル電流を選択する際はデバイスの最大電流を使用してください。式 10 を使用して、インダクタンスの値を決定することができます。定数 K はインダクタ電流リップルのパーセンテージです。この例では、K = 0.4 を選択すると、L = 27µH のインダクタンスが得られます。

式 10. L   = ( V I N   -   V O U T )   f S W   ×   K   x   I O U T m a x   × V O U T V I N  

理想的には、インダクタの飽和電流定格は、ハイサイド スイッチの電流制限値 ISC 以上にする必要があります。この定格であれば、出力の短絡時にもインダクタが飽和しないようになります。インダクタのコア材が飽和すると、インダクタンスは非常に小さい値に低下し、インダクタ電流は急増します。バレー電流制限値 ILIMIT は、電流が暴走しづらいように設計されているとはいえ、インダクタが飽和することで電流値が急増する可能性があります。この増加は部品の損傷につながる可能性があります。したがって、インダクタを飽和させないようにしてください。フェライト コア材を採用したインダクタは飽和特性が非常に急峻ですが、コア損失は通常、圧粉コアよりも小さいです。圧粉コアは穏やかな飽和特性を示すため、インダクタの電流定格をある程度緩和できます。ただし、圧粉コアは約 1MHz を超える周波数でコア損失が大きくなります。いずれにしても、インダクタの飽和電流が、全負荷時のピーク インダクタ電流の最大値よりも小さくならないようにする必要があります。

分数調波発振を防止するため、インダクタンス値が式 11 で与えられる値よりも小さくならないようにする必要があります。

式 11. L M I N   M × V O U T   f S W  

ここで、

  • Lmin = 最小インダクタンス (H)
  • M = 0.25
  • ƒSW = スイッチング周波数 (Hz)

最大インダクタンスは、電流モード制御を正しく行うために必要な最小電流リップルによって制限されます。目安として、インダクタの最小リップル電流は、公称条件でのデバイスの最大定格電流の約 10% 以上とする必要があります。