JAJSO67 january 2023 MCT8329A
PRODUCTION DATA
SHx 接続のスルーレートは、外部 MOSFET のゲートが制御される速度で決まります。MCT8329A のプルアップ / プルダウン強度は内部で固定されているため、ゲート電圧のスルーレートは、外付け直列ゲート抵抗によって制御できます。一部のアプリケーションでは、ゲート・ドライバ・デバイスの負荷である MOSFET のゲート電荷が、ゲート・ドライバのピーク出力電流能力より大幅に大きくなります。そのようなアプリケーションでは、外付けゲート抵抗を使うことでゲート・ドライバのピーク出力電流を制限できます。外付けゲート抵抗は、リンギングとノイズを減衰させるためにも使われます。
MOSFET の特定のパラメータ、システム電圧、基板の寄生素子はすべて最終的な SHx スルーレートに影響を与えるため、外付けゲート抵抗の最適な値または構成の選択は通常繰り返し行われます。
ゲート駆動電流を低減するため、直列抵抗 (RGATE) をゲート駆動出力に接続することで、ソースおよびシンク電流経路の電流を制御できます。1 つのゲート抵抗は、ソース・ゲート電流とシンク・ゲート電流に対してゲート経路として同じように作用するため、RGATE の値を大きくすることが、MOSFET のスイッチングに伴う SHx の立ち上がり / 立ち下がりスルーレートに及ぼす影響は似たものになります。ゲート駆動電流は、本デバイスの PVDD 電圧、接合部温度、プロセスばらつきによって変化することに注意します。
通常は、反対側の MOSFET がスイッチングしている間、MOSFET が確実にオフを維持するように、ゲートからソースへの強いプルダウンを実装するため、シンク電流をソース電流の 2 倍に設定することを推奨します。これは、ダイオードとシンク抵抗 (RSINK) をソース抵抗 (RSOURCE) と並列に配置し、ソース電流とシンク電流に対して別個の電流経路を提供することで、ディスクリート実装できます。ソース抵抗とシンク抵抗を同じ値にすると、シンク経路の等価抵抗はソース経路の等価抵抗の半分になります。これにより、ゲート駆動のシンク電流がソース電流の 2 倍になり、MOSFET をオフにする際に SHx は 2 倍の速度で変化します。