JAJSN21 December   2021 REF20-Q1

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイス比較表
  6. ピン構成および機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 代表的な特性
  8. パラメータ測定情報
    1. 8.1 半田付けの熱による変動
    2. 8.2 長期安定性
    3. 8.3 熱によるヒステリシス
    4. 8.4 ノイズ特性
  9. 詳細説明
    1. 9.1 概要
    2. 9.2 機能ブロック図
    3. 9.3 機能説明
      1. 9.3.1 VREF と VBIAS のトラッキング
      2. 9.3.2 低温度ドリフト
      3. 9.3.3 負荷電流
    4. 9.4 デバイスの機能モード
  10. 10アプリケーションと実装
    1. 10.1 アプリケーション情報
    2. 10.2 代表的なアプリケーション
      1. 10.2.1 ローサイド電流センシング・アプリケーション
        1. 10.2.1.1 設計要件
        2. 10.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 10.2.1.2.1 シャント抵抗
          2. 10.2.1.2.2 差動アンプ
          3. 10.2.1.2.3 基準電圧
          4. 10.2.1.2.4 誤差の計算
          5. 10.2.1.2.5 アプリケーション曲線
  11. 11電源に関する推奨事項
  12. 12レイアウト
    1. 12.1 レイアウトのガイドライン
    2. 12.2 レイアウト例
  13. 13デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 13.1 ドキュメントのサポート
      1. 13.1.1 関連資料
    2. 13.2 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    3. 13.3 サポート・リソース
    4. 13.4 商標
    5. 13.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 13.6 用語集
  14. 14メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報
誤差の計算

初期精度とドリフトという 2 種類の誤差について説明します。精度誤差には、次のものがあります。

  • シャント抵抗の許容誤差:αshunt_tol = 0.1% (最大値)
  • INA 初期入力オフセット電圧:VOS_INA = 5μV (標準値)
  • INA PSRR:VOS_INA_PSRR = 1μV/V (標準値)
  • INA CMRR:VOS_INA_CMRR = 132dB (標準値)
  • INA ゲイン誤差:αINA_GE = 0.05% (標準値)
  • 基準出力の精度:αREF_output = 0.05% (最大値)

これらの誤差発生源は、2 点システム・キャリブレーションを実行することにより、25℃で大幅に低減できます。一方ドリフト誤差の削減は、温度範囲全体にわたってキャリブレーションを実行することによってみ達成可能です。ドリフト誤差には、次のものがあります。

  • シャント抵抗ドリフト:δshunt_drift = 15ppm/℃ (最大値)
  • INA オフセット電圧ドリフト:δINA_drift_Vos = 50nV/℃ (標準値)
  • INA ゲイン誤差ドリフト:δINA_drift_GE = 0.5ppm/ºC (標準値)
  • 基準出力ドリフト:δREF_drift_output = 3ppm/ºC (標準値)

式 8 を使用して、100 万分の 1 (ppm) 単位で指定された仕様をパーセンテージ (%) に変換することも、その逆に変換することもできます。

式 8. % = (ppm/10,000)

デシベル (dB) 単位の仕様を線形表現に変換するには、式 9 を使用できます。

式 9. (V / V) = (1 / 10(dB/20))

一部の誤差計算では、フルスケール範囲 (FSR) が必要です。この設計の FSR は、シャント抵抗の両端の電圧である ±25mV (または 50mV) によって決定されます。

ドリフト誤差の最大温度変化 (ΔT) は 100℃であり、これは最大規定温度 (125℃) と室温 (25℃) の差です。この温度変化は、シャント抵抗と INA240-Q1 のドリフト誤差を計算する際に使用されます。REF20-Q1 はボックス方式を使用してドリフトを判定するため、計算に使用する温度範囲は全動作範囲である 150℃です。

最後に、CMRR および PSRR 仕様に起因する誤差は、システム要件とデバイスの特性評価方法に応じて調整する必要があります。たとえば INA240-Q1 は、12V の同相電圧を使用して特性評価されています。この設計での同相電圧は約 0V です。このような相違が原因で、入力換算オフセット電圧が発生します。

表 10-1 に、初期精度の計算結果をまとめます。

表 10-1 初期精度誤差のまとめ
誤差発生源 デバイス:RSHUNT (PPM) デバイス:IN240-Q1 (PPM) デバイス:REF2030-Q1 (PPM) 合計 (PPM、RSS)
オフセット 100 FSR 500 FSR 510 FSR
CMRR 60 FSR 60 FSR
PSRR 40 FSR 40 FSR
ゲイン誤差 1000 500 1118
合計 (PPM、RSS) 1000 1087.5 FSR 500 FSR 1231 FSR
(0.123%)

表 10-2 に、合計温度ドリフトの計算結果をまとめます。

表 10-2 温度ドリフト誤差のまとめ
誤差発生源 デバイス:RSHUNT (PPM) デバイス:IN240-Q1 (PPM) デバイス:REF2030-Q1 (PPM) 合計 (PPM、RSS)
オフセット・ドリフト 100 FSR 495 505 FSR
ゲイン誤差ドリフト 1500 50 1501
合計 (PPM、RSS) 1500 111.8 FSR 495 1583.52 FSR
(0.194%)