JAJSN21 December 2021 REF20-Q1
PRODUCTION DATA
初期精度とドリフトという 2 種類の誤差について説明します。精度誤差には、次のものがあります。
これらの誤差発生源は、2 点システム・キャリブレーションを実行することにより、25℃で大幅に低減できます。一方ドリフト誤差の削減は、温度範囲全体にわたってキャリブレーションを実行することによってみ達成可能です。ドリフト誤差には、次のものがあります。
式 8 を使用して、100 万分の 1 (ppm) 単位で指定された仕様をパーセンテージ (%) に変換することも、その逆に変換することもできます。
デシベル (dB) 単位の仕様を線形表現に変換するには、式 9 を使用できます。
一部の誤差計算では、フルスケール範囲 (FSR) が必要です。この設計の FSR は、シャント抵抗の両端の電圧である ±25mV (または 50mV) によって決定されます。
ドリフト誤差の最大温度変化 (ΔT) は 100℃であり、これは最大規定温度 (125℃) と室温 (25℃) の差です。この温度変化は、シャント抵抗と INA240-Q1 のドリフト誤差を計算する際に使用されます。REF20-Q1 はボックス方式を使用してドリフトを判定するため、計算に使用する温度範囲は全動作範囲である 150℃です。
最後に、CMRR および PSRR 仕様に起因する誤差は、システム要件とデバイスの特性評価方法に応じて調整する必要があります。たとえば INA240-Q1 は、12V の同相電圧を使用して特性評価されています。この設計での同相電圧は約 0V です。このような相違が原因で、入力換算オフセット電圧が発生します。
表 10-1 に、初期精度の計算結果をまとめます。
誤差発生源 | デバイス:RSHUNT (PPM) | デバイス:IN240-Q1 (PPM) | デバイス:REF2030-Q1 (PPM) | 合計 (PPM、RSS) |
---|---|---|---|---|
オフセット | 100 FSR | 500 FSR | 510 FSR | |
CMRR | 60 FSR | 60 FSR | ||
PSRR | 40 FSR | 40 FSR | ||
ゲイン誤差 | 1000 | 500 | 1118 | |
合計 (PPM、RSS) | 1000 | 1087.5 FSR | 500 FSR | 1231 FSR (0.123%) |
表 10-2 に、合計温度ドリフトの計算結果をまとめます。
誤差発生源 | デバイス:RSHUNT (PPM) | デバイス:IN240-Q1 (PPM) | デバイス:REF2030-Q1 (PPM) | 合計 (PPM、RSS) |
---|---|---|---|---|
オフセット・ドリフト | 100 FSR | 495 | 505 FSR | |
ゲイン誤差ドリフト | 1500 | 50 | 1501 | |
合計 (PPM、RSS) | 1500 | 111.8 FSR | 495 | 1583.52 FSR (0.194%) |