JAJSPS6 february 2023 TDC1000-Q1
PRODUCTION DATA
流量計が住宅用アプリケーションを想定している場合は、必要な規格を満たすようにメーターを設計する必要があります。たとえば、国際法定計量機関 (OIML) によると、水道メーターの計測要件は、表 9-3 で説明されている Q1、Q2、Q3、Q4 の値によって定義されます。
流量ゾーン | 説明 |
---|---|
Q1 | 最大許容誤差内でメーターが動作できる最小流量。 |
Q2 | 永続的な流量から最小流量までの範囲は、上部流量ゾーンと下位流量ゾーンに分けられ、それぞれが独自の最大許容誤差で特性付けされます。 |
Q3 | 最大許容誤差内でメーターが動作できる、定格動作条件内での最大流量。 |
Q4 | 最大許容誤差内でメーターが短時間動作でき、その後メーターが定格の動作条件内で動作すれば計測のパフォーマンスを維持できる、最大流量。 |
水流量計は、Q3 の m3/h 単位の値と、Q3/Q1 の比で規定されます。Q3 の値と Q3/Q1 の比率は、OIML 規格で提供されているリストから選択されます。
水流量計は、規格で定義されている最大許容誤差 (MPE) を誤差が超えないように設計および製造する必要があります。たとえば、OIML 規格では、水流量計を要件に応じて精度クラス 1 または精度クラス 2 に指定する必要があります。
クラス 1 の水流量計の場合、上部流量ゾーン (Q2 ≦ Q ≦ Q4) での最大許容誤差は、温度が 0.1℃~30℃なら ±1%、30℃を超える場合は ±2% です。下部流量ゾーン (Q1 ≦ Q < Q2) での最大許容誤差は、温度範囲にかかわらず ±3% です。
クラス 2 の水流量計の場合、上部流量ゾーン (Q2 ≦ Q ≦ Q4) での最大許容誤差は、温度が 0.1℃~30℃なら ±2%、30℃を超える場合は ±3% です。下部流量ゾーン (Q1 ≦ Q < Q2) での最大許容誤差は、温度範囲にかかわらず ±5% です。
この規格で規定されている流量計の精度によって、超音波トランスデューサの駆動に使用される電子機器、レシーバ・パス内の回路、時間測定用補助回路のそれぞれに必要な精度が決定されます。小さな流量において要求される精度が厳しいため、超音波流量計で使用されるトランスミッタとレシーバの回路に超低ノイズの信号チェーンが必要なほか、ピコ秒単位の時間間隔を測定能力も必要です。