JAJSI02D October   2019  – November 2020 TMP63

PRODUCTION DATA  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. 改訂履歴
  5. デバイスの比較
  6. ピン構成および機能
    1.     ピンの機能
  7. 仕様
    1. 7.1 絶対最大定格
    2. 7.2 ESD 定格
    3. 7.3 推奨動作条件
    4. 7.4 熱に関する情報
    5. 7.5 電気的特性
    6. 7.6 代表的特性
  8. 詳細説明
    1. 8.1 概要
    2. 8.2 機能ブロック図
    3. 8.3 機能説明
      1. 8.3.1 TMP63 R-T 表
      2. 8.3.2 線形抵抗曲線
      3. 8.3.3 正温度係数 (PTC)
      4. 8.3.4 内蔵フェイルセーフ
    4. 8.4 デバイスの機能モード
  9. アプリケーションと実装
    1. 9.1 アプリケーション情報
    2. 9.2 代表的なアプリケーション
      1. 9.2.1 サーミスタ・バイアス回路
        1. 9.2.1.1 設計要件
        2. 9.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 9.2.1.2.1 コンパレータを使用した過熱保護
          2. 9.2.1.2.2 サーマル・フォールドバック
        3. 9.2.1.3 アプリケーション曲線
  10. 10電源に関する推奨事項
  11. 11レイアウト
    1. 11.1 レイアウトのガイドライン
    2. 11.2 レイアウト例
  12. 12デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 12.1 ドキュメントの更新通知を受け取る方法
    2. 12.2 サポート・リソース
    3. 12.3 商標
    4. 12.4 静電気放電に関する注意事項
    5. 12.5 用語集
  13. 13メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

設計要件

既存のサーミスタは、一般に、非線形の温度対抵抗曲線を示します。サーミスタの応答を線形化するには、分圧器構成による電圧線形化回路、またはサーミスタと並列にもう 1 つの抵抗 RP を接続した抵抗線形化回路を使用します。Topic Link Label9.2.1 では、RT をサーミスタ抵抗とする実装例を 2 つ取り上げています。目的の電圧応答 (負または正) に応じてサーミスタの両端に出力電圧を生成させる方法としては、ハイサイド (電源側) またはローサイド (グランド側) にサーミスタを配置した分圧回路が使用できます。また、高精度の電流源を使用してサーミスタを直接バイアスする (もっとも高い精度と電圧ゲインが得られる) 方法もあります。実装が簡単で低コストであることから、サーミスタを使用した分圧器を使用するのが一般的です。TMP63 の抵抗値は、線形で正の温度係数 (PTC) を持つので、その両端で測定される電圧は、温度とともに線形的に増加します。これにより、従来の線形化回路が不要となり、単純な電流源または分圧器回路を使用するだけで、温度に対応した電圧を生成できます。

この出力電圧は、より広い範囲の温度を監視するために ADC に直接接続できるほか、アクティブ帰還制御回路の帰還入力としても使用されます。またこの出力電圧を、コンパレータを使用して基準電圧と比較し、温度トリップ・ポイントをトリガすることもできます。

Equation2 に示されているデバイス両端の電圧は、ルックアップ・テーブル方式 (LUT) または近似多項式 V(T) を使用して温度に変換できます。サーミスタ設計ツール は、Vtemp を温度に変換するために使用します。温度電圧は、まず ADC を使用してデジタル化される必要があります。この ADC に必要とされる分解能は、採用するバイアス方式に依存します。また、もっとも高い精度を得るため、バイアス電圧 (VBIAS) を ADC の基準電圧に接続して測定を行います。この場合には、バイアス電圧の誤差と基準電圧の誤差を相殺することができます。ローパス・フィルタを内蔵して、システム・レベルのノイズを除去するといった応用もできます。この場合、フィルタは ADC 入力にできるだけ近付けて配置します。