JAJS136K January 2006 – January 2024 TPS5430 , TPS5431
PRODUCTION DATA
デバイスごとのパッケージ図は、PDF版データシートをご参照ください。
出力インダクタの最小値を計算するには、式 4 を使用します。
KIND は、最大出力電流に対するインダクタのリップル電流量を表す係数です。インダクタのリップル電流量を決定するには、3 つの要因を考慮する必要があります。この要因とは、ピーク・ツー・ピークのリップル電流が出力リップル電圧の振幅に影響を与えること、リップル電流がピーク・スイッチ電流に影響を与えること、さらに回路が不連続になるポイントがリップル電流量によって決定されることです。TPS5430 を使用する設計では、KIND が 0.2 から 0.3 である場合に、良い結果を得ることができます。適切な出力キャパシタと組み合わせたときに、低出力リップル電圧が得られ、ピーク・スイッチ電流は電流制限設定ポイントよりも十分に低くなります。また、動作が不連続になる前に、相対的に低い負荷電流をソースすることが可能となります。
この設計例では、KIND = 0.2 を使用し、最小インダクタ値は 12.5μH と計算されます。次に高い標準値は 15 μH で、この設計ではこれを使用しています。
出力フィルタ インダクタについては、RMS 電流および飽和電流の定格を超えないことが重要です。RMS インダクタ電流は、式 5 から求められます。
ピーク・インダクタ電流は 式 6 で決定されます。
この設計では、RMS インダクタ電流は 3.003A、ピーク インダクタ電流は 3.31A です。選択したインダクタは、Sumida CDRH104R-150 15μH です。このインダクタの飽和電流定格は 3.4A、RMS 電流定格は 3.6A であり、これらの要件を十分に満足します。より低い定格のインダクタを使用することもできますが、このデバイスを選択したのは、薄型部品であるためです。一般に、TPS5430 で使用するインダクタの値は、10μH~100μH の範囲内です。