JAJSL74A March 2021 – January 2024 TPS62901
PRODUCTION DATA
TPS62901 は、1µH (公称値) のインダクタを使うように設計されています。インダクタ電流リップルを低減するためにより大きな値も使えますが、効率と過渡応答に悪影響を及ぼす可能性があります。1µH より小さい値は、低出力電流または無出力電流時の強制 PWM モードでのより大きな負のインダクタ電流の原因となる大きなインダクタ電流リップルを引き起こします。したがって、入力電圧が高く出力電圧が低い場合のように、インダクタの両端の電圧が大きい場合、1µH より小さい値は推奨されません。強制 PWM モードでの小さい出力電流は、負の電流制限を超える可能性があるより大きな負のピーク インダクタ電流の原因となります。出力電流が小さく (またはゼロであり)、かつインダクタ値が小さい場合、出力電圧はもはやレギュレートされません。その他の LC 組み合わせの詳細については、SLVA463 を参照してください。
インダクタの選択は、インダクタ リップル電流、出力リップル電圧、PWM から PFM への遷移点、効率など、各種の要因に影響されます。また、選択されたインダクタは、適切な飽和電流と DC 抵抗 (DCR) の定格を満たしている必要があります。式 11 を使って、最大インダクタ電流を計算できます。
ここで、
実際の動作条件を使用して最大インダクタ電流を計算すると、必要なインダクタ飽和電流の最小値が求まります。約 20% のマージンを追加することを推奨します。リップル電流が小さくするためにも、インダクタの値を大きくすることは有効ですが、過渡応答時間が長くなり、サイズも大きくなります。以下のインダクタは、TPS62901 と組み合わせて使用した実績があり、これらのインダクタを使うことを推奨します。
タイプ | インダクタンス [µH] | 電流 [A] (1) | 寸法 (LxBxH) [mm] | 製造元 |
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XGL4020-102ME | 1.0µH、±20% | 8.8 | 4.0x4.0x2.1 | Coilcraft |
DFE252012F-1R0M | 1.0µH、±20% | 4.7 | 2.5x2.5x1.2 | Murata (村田製作所) |
CIGT252010TM1R0MLE | 1.0µH、±20% | 5.3 | 2.5x2.5x1.0 | Samsung |
TFM252010ALM-1R0MTAA | 1.0µH、±20% | 4.7 | 2.5x2.0x1.0 | TDK |
XEL5030-222ME | 2.2μH、±20% | 9.7 | 5.3x5.5x3.1 | Coilcraft |
XGL4020-222ME | 2.2μH、±20% | 6.2 | 4.0x4.0x2.1 | Coilcraft |
インダクタの値は、パワーセーブ モードに移行する負荷電流も決定します。