JAJSD98 June   2017 TPS715A-NM

PRODUCTION DATA.  

  1. 特長
  2. アプリケーション
  3. 概要
  4. ピン構成および機能
  5. 仕様
    1. 5.1 絶対最大定格
    2. 5.2 ESD定格
    3. 5.3 推奨動作条件
    4. 5.4 熱特性
    5. 5.5 電気的特性
    6. 5.6 代表的特性
  6. 詳細説明
    1. 6.1 概要
    2. 6.2 機能ブロック図
    3. 6.3 機能説明
      1. 6.3.1 広い電源電圧範囲
      2. 6.3.2 低消費電流
      3. 6.3.3 0.47µF以上の任意のコンデンサで安定
      4. 6.3.4 内部的な電流制限
      5. 6.3.5 逆電流
    4. 6.4 デバイスの機能モード
      1. 6.4.1 通常動作
      2. 6.4.2 ドロップアウト動作
  7. アプリケーションと実装
    1. 7.1 アプリケーション情報
    2. 7.2 代表的なアプリケーション
      1. 7.2.1 代表的なアプリケーション(固定電圧バージョン)
        1. 7.2.1.1 設計要件
          1. 7.2.1.1.1 MSP430マイクロコントローラの電源
        2. 7.2.1.2 詳細な設計手順
          1. 7.2.1.2.1 外部コンデンサの要件
          2. 7.2.1.2.2 ドロップアウト電圧(VDO)
        3. 7.2.1.3 アプリケーション曲線
      2. 7.2.2 TPS715A01の可変LDOレギュレータのプログラミング
        1. 7.2.2.1 詳細な設計手順
          1. 7.2.2.1.1 TPS715A01可変LDOのVOUTの設定
    3. 7.3 必須事項と禁止事項
  8. 電源に関する推奨事項
  9. レイアウト
    1. 9.1 レイアウトのガイドライン
    2. 9.2 レイアウト例
    3. 9.3 消費電力
  10. 10デバイスおよびドキュメントのサポート
    1. 10.1 デバイス・サポート
      1. 10.1.1 開発サポート
        1. 10.1.1.1 評価モジュール
        2. 10.1.1.2 SPICEモデル
      2. 10.1.2 デバイスの項目表記
    2. 10.2 ドキュメントのサポート
      1. 10.2.1 関連資料
    3. 10.3 コミュニティ・リソース
    4. 10.4 商標
    5. 10.5 静電気放電に関する注意事項
    6. 10.6 Glossary
  11. 11メカニカル、パッケージ、および注文情報

パッケージ・オプション

メカニカル・データ(パッケージ|ピン)
サーマルパッド・メカニカル・データ
発注情報

詳細説明

概要

TPS715A-NMファミリの低ドロップアウト・レギュレータは消費電流がわずか3.2µAで、小型パッケージで広い範囲の入力電圧に対応し、低いドロップアウト電圧を実現しています。このデバイスは2.5V~24Vの入力範囲で動作し、0.47μF以上の任意のコンデンサで安定します。静止電流が低いため、TPS715A-NMはバッテリ管理デバイスの電源として理想的です。特に、TPS715A-NMは印加されている電圧が最小入力電圧に達すると同時にイネーブルになるため、出力が迅速に利用可能となり、連続的に動作するバッテリ充電デバイスの電源として適しています。

機能ブロック図

TPS715A-NM fbd_adj_lvs338.gif Figure 14. 機能ブロック図 - 可変バージョン
TPS715A-NM fbd_fix_lvs338.gif Figure 15. 機能ブロック図 - 固定バージョン

機能説明

広い電源電圧範囲

このデバイスは2.5V~24Vの入力電源範囲で動作し、広範囲のアプリケーションに対応できます。この広い電源電圧範囲は、大きな過渡電圧や高いDC電圧電源を持つアプリケーションに理想的です。

低消費電流

このデバイスが必要な電源電流はわずか3.2µA (標準値)で、最大消費電流は-40℃~125℃において5.8µAです。

0.47µF以上の任意のコンデンサで安定

セラミックやタンタルを含め、0.47μF以上のあらゆるコンデンサで、このループが正しく安定します。

内部的な電流制限

内部の電流制限回路を使用して、高負荷の電流フォルトや短絡事象からLDOが保護されます。このLDOは、定常状態の電流制限で動作するよう設計されてはいません。電流制限が適用されている間、LDOは一定電流を供給します。このため、負荷インピーダンスが減少すると出力電圧が低下します。

NOTE

電流制限が発生し、その結果の出力電圧が低い場合、過剰な電力がLDO全体で消費され、デバイスが損傷する可能性があります。

逆電流

TPS715A-NMデバイスのPMOSパス・トランジスタにはバック・ダイオードが組み込まれており、入力電圧が出力電圧を下回ったとき(たとえばパワー・ダウン時)に電流を伝導します。電流は出力から入力へ伝導され、内部では制限されません。長時間の逆電圧動作が予想される場合は、外部的な制限が必要となる可能性があります。

デバイスの機能モード

通常モード、ドロップアウト・モード、ディセーブル・モードの各動作間の簡単な比較をTable 1に示します。

Table 1. デバイスの機能モードの比較

動作モード パラメータ
VIN IOUT
通常 VIN > VOUT(nom) + VDO IOUT < ICL
ドロップアウト VIN < VOUT(nom) + VDO IOUT < ICL
ディセーブル

通常動作

デバイスは、次の条件で公称出力電圧へのレギュレートを行います。

  • 入力電圧が、公称出力電圧とドロップアウト電圧の和(VOUT(nom) + VDO)よりも大きい。
  • 出力電流が、電流制限より小さい(IOUT < ICL)。
  • デバイスの接合部温度が125℃未満である。

ドロップアウト動作

入力電圧が、公称出力電圧と規定ドロップアウト電圧の和よりも小さいが、通常動作の他の条件がすべて満たされているとき、デバイスはドロップアウト・モードで動作します。このモードでは、出力電圧は入力電圧に追従します。このモードでは、パス・デバイスがリニア領域内にあり、LDOによって電流の制御を行わないため、デバイスの過渡性能が大きく低下します。ドロップアウト中にライン過渡または負荷過渡事象が生じると、大きな出力電圧の偏差が発生することがあります。