JAJSD98 June 2017 TPS715A-NM
PRODUCTION DATA.
NOTE
以降のアプリケーション情報は、TIの製品仕様に含まれるものではなく、TIではその正確性または完全性を保証いたしません。個々の目的に対する製品の適合性については、お客様の責任で判断していただくことになります。お客様は自身の設計実装を検証しテストすることで、システムの機能を確認する必要があります。
TPS715A-NMファミリのLDOレギュレータは、MSP430マイクロコントローラなどの超低消費電力アプリケーション用に最適化されています。TPS715A-NMデバイスは消費電流が非常に低いため、軽負荷時に最大の効率を発揮し、高い入力電圧範囲により、コンディショニングなしのソーラー・パネルなどの電源に適しています。
MSP430マイクロコントローラに電源を供給するには、TPS715A-NMのいくつかのバージョンが理想的です。いくつかの電圧バージョンで可能なアプリケーションを、Table 2に示します。
デバイス | VOUT (TYP) | アプリケーション |
---|---|---|
TPS715A19 | 1.9V | 多くのMSP430では、VOUT(min) > 1.8Vが必要です。最も低い消費電力での動作が可能です。 |
TPS715A23 | 2.3V | 一部のMSP430フラッシュ動作には、VOUT(min) > 2.2Vが必要です。 |
TPS715A30 | 3V | 一部のMSP430フラッシュ動作には、VOUT(min) > 2.7Vが必要です。 |
TPS715A345 | 3.45V | 一部のMSP430では、VOUT(max) < 3.6Vが必要です。最高速での動作が可能です。 |
MSP430用に電源電圧を最適化し、MSP430で消費される電流を最小化するために、TPS715A-NMファミリのデバイスには多くの出力電圧のバージョンが用意されています。
必須ではありませんが、電源全体としての過渡応答およびノイズ除去を改善するため、0.047μF以上の入力バイパス・コンデンサをINとGNDとの間、位置的にデバイスの近くに接続することをお勧めします。立ち上がり時間の短い大きな負荷過渡事象が予想され、デバイスが電源から数インチの場所に配置される場合は、より大きな値の入力コンデンサが必要なこともあります。
TPS715A-NMデバイスでは、内部制御ループを安定させるため、OUTとGNDとの間に出力コンデンサを接続する必要があります。0.47μF以上の任意のコンデンサ(セラミックやタンタル含む)で、このループが正しく安定します。広い温度仕様と低い温度ドリフト係数を持つX7RおよびX5Rタイプのコンデンサが推奨されますが、他の種類のコンデンサも使用できます。
一般的な話として、ドロップアウト電圧とは多くの場合、入力電圧と出力電圧の電位差を指します(VDO = VIN - VOUT)。ただし、「電気的特性」表では、VDOは定格電流におけるVIN - VOUT電圧として定義されます。ここでパスFETは動作のオーム領域で完全にエンハンスされ、FETの従来のRDS(on)により特徴付けされます。VDOは、プログラムされた公称の出力電圧よりも入力電圧がどれだけ高ければ、出力電圧が精度境界内に維持されることを期待できるかの最小値を、間接的に指定します。入力がこのVDO制限を下回る(VIN < VOUT + VDO)と、出力電圧は入力電圧に追従して低下します。
ドロップアウト電圧は常に、メインのパスFETのRDS(on)により決定されます。したがって、LDOが定格電流未満で動作する場合、その電流のVDOはそれに応じてスケーリングされます。RDS(on)は、Equation 1を使用して計算できます。
TPS715A-NMファミリのデバイスには可変バージョンのTPS715A01デバイスが含まれており、Figure 20に示すように外付けの分圧抵抗を使用して出力電圧を設定できます。出力電圧の動作範囲は1.2V~15Vで、Equation 2を使用して計算されます。
where
約1.5μAの電流が分圧抵抗を流れるように、抵抗R1およびR2を選択します。値の低い抵抗を使用するとノイズ特性が改善されますが、消費電力が大きくなります。R1、R2を通ってFBへ、またはFBから流れるリーク電流は、VOUTをVREFで除算した値に比例するオフセット電圧を生みだすため、値の高い抵抗を使用することは避けてください。推奨される設計手順は、R2 = 1MΩを選択して分圧抵抗の電流を1.5μAに設定してから、Equation 3を使用してR1を計算することです。
この構成を、Figure 20に示します。
レギュレータのOUTおよびGNDピンの可能な限り近くに、最低1つの0.47µFのコンデンサを配置します。
出力コンデンサとレギュレータを、長くて細い配線で接続しないでください。
最高の性能を実現するため、0.047µFの入力コンデンサを、レギュレータのINおよびGNDピンの可能な限り近くに配置します。
絶対最大定格を超過してはなりません。