8 デバイスおよびドキュメントのサポート
8.1 使い始めと次の手順
TI NFC/RFIDデバイス、および開発に役立つツールやソフトウェアの詳細については、NFC/RFIDの概要をご覧ください。
8.2 デバイスの項目表記
製品開発サイクルの段階を示すため、TIではデバイスの部品番号に接頭辞を割り当てています。商用ファミリの各製品は、接頭辞x、p、または接頭辞なしのいずれかです。これらの接頭辞は、エンジニアリング・プロトタイプ(接頭辞x)から、完全に認定済みの量産デバイス(接頭辞なし)までの、製品開発の段階を表します。
デバイス開発の段階は次のとおりです。
xTRF... - 実験段階のデバイスで、デバイスの最終的な電気的仕様を表しているとは限りません。
pTRF... - 最終製品の電気的仕様を満たす最終段階のデバイスですが、品質および信頼性の検証が完了していません。
TRF... - 完全に認定済みの量産版デバイスです。
接頭辞xまたはpのデバイスは、次の注意事項付きで出荷されます。
「開発中の製品は、社内での評価用です。」
量産デバイスの特性は完全に明確化されており、デバイスの品質と信頼性が十分に示されています。TIの標準保証が適用されます。
プロトタイプ・デバイスは、標準の量産デバイスよりも故障率が高いことが予想されます。これらのデバイスは予測される最終使用時の故障率が未定義であるため、TIではそれらのデバイスを量産システムで使用しないよう推奨しています。認定された量産デバイスのみを使用する必要があります。
TIデバイスの項目表記には、デバイス・ファミリ名の接尾辞も含まれます。この接尾辞は、パッケージの種類と、オプションとして温度範囲を表します。デバイス名の各部の読み方を、Figure 8-1に示します。
設計キットと評価モジュール
NFCトランシーバ・アドオン・ターゲット・ボード・モジュール TRF7970ATB評価モジュールによりソフトウェア・アプリケーション開発者は、RF部に煩わされることなく、選択したテキサス・インスツルメンツ製組み込みマイクロコントローラ・プラットフォーム上で、TRF7970Aマルチプロトコル完全統合型13.56MHz NFC/HF RFID ICの機能をテストできます。
NFCトランシーバ・ブースター・パック・プラグイン・モジュール サードパーティー・プロバイダの DLP Design NFC/RFID BoosterPack プラグイン・モジュール (DLP-7970ABP) は、すべての TI 製 MCU LaunchPad 開発キットで使用できるよう設計されたアドオン・ボードです。このBoosterPackプラグイン・モジュールによりソフトウェア・アプリケーション開発者は、RF部の開発に煩わされることなく、選択したTI製組み込みマイクロコントローラ・プラットフォーム上で、TRF7970Aマルチプロトコル完全統合型13.56MHz NFCおよびHF RFID ICの機能をテストできます。
NFCトランシーバ評価モジュール TRF7970AEVMは自己完結型の開発プラットフォームで、NFCトランシーバTRF7970Aの性能を評価するために使用できます。TRF7970Aは、マルチプロトコルで完全に統合された13.56MHzのNFC/RFIDトランシーバICです。ICと評価モジュールにより、各種NFC/RFID用途向けのカスタム・ファームウェア、顧客設計のアンテナ、新たなトランスポンダの開発と評価を行えます。
8.4 ドキュメントのサポート
以下のドキュメントには、TRF7964Aが解説されています。これらのドキュメントのコピーは、www.ti.comで入手できます。
ドキュメントの更新通知を受け取る方法
ドキュメント更新の通知を、シリコンの正誤表も含めて受け取るには、ti.comでお使いの製品のフォルダへ移動します(たとえば、TRF7964A)。右上の隅にある「通知を受け取る」ボタンをクリックします。これによって登録が行われ、変更された製品情報の概要を毎週受け取ることができます。変更の詳細については、修正されたドキュメントに含まれている改訂履歴をご覧ください。
アプリケーション・ノート
『パワー・ダウン・モード時のTRF79xxの消費電流の最小化』このアプリケーション・レポートには、TRF79xxファミリのデバイス(TRF796x、TRF796xA、TRF7970A)でパワー・ダウン・モード時の消費電流を低減するための、回路およびファームウェア設計の推奨事項が示されています。各種の設計が検討され、消費電流に基づいてそれぞれの分析が行われています。このアプリケーション・レポートは、バッテリ駆動のデュアル電圧システムを主な対象としています。
『TRF7970Aを使用するNFC/HF RFIDリーダー/ライタ』 近距離無線通信(NFC)市場は、医療、民生、小売、産業、車載、スマートグリッドなど多くの分野に拡大しつつあります。リーダー/ライタは、TRF7970Aでサポートされている3つの動作モードの1つです。リーダー/ライタ・モードを使用すると、ユーザーはTRF7970Aでタイプ2、タイプ3、タイプ4A、タイプ4B、タイプ5のタグ・プラットフォーム(トランスポンダとも呼ばれます)を読み取るよう構成できます。タグには、NFCデータ交換フォーマット(NDEF)メッセージ、または独自に定義したデータを記録できます。このアプリケーション・レポートには、リーダー/ライタ・モードの基本的な概念と、サポートされている各テクノロジ用にTRF7907Aトランシーバを正しく構成する方法が記載されています。
『TRF7970A NFCリーダーのアンテナの多重化』このアプリケーション・レポートには、単一のTRF7970A NFCトランシーバICにより、複数のリーダー・アンテナを実装する方法が記載されています。デモのため、MSP430F5529 LaunchPad開発キットと、TRF7970A BoosterPackプラグイン・モジュールが使用されています。このデモでは、ISO/IEC 15693と、ISO/IEC 14443 AおよびB通信プロトコルがサポートされています。
『MSP430およびTRF79xxAによるNFC/RFIDリーダー超低消費電力カード存在検知』NFCおよびRFIDリーダーのバッテリ駆動アプリケーションでは、規定されたエネルギー消費制限を満たすと同時に、低コストの製品を実現する必要があります。近年、この両方の課題に対応するカードの存在検知技法と戦略が登場しました。このアプリケーション・レポートの目的は、既存の設計に単純な回路や小さなファームウェア制御ロジック・ループを追加して、これまでに認知されているカード検知ソリューションを劇的に改善することによって、カードの存在検知技法と戦略に役立てることです。
8.5 コミュニティ・リソース
以下のリンクから、TIのコミュニティ・リソースにアクセスできます。リンクされているコンテンツは、該当する貢献者により、現状のまま提供されるものです。これらはTIの仕様を構成するものではなく、必ずしもTIの見解を反映したものではありません。TIの使用条件を参照してください。
TI E2E™コミュニティ
TIのE2E (Engineer-to-Engineer)コミュニティ。 エンジニア間の共同作業を促進するために開設されたものです。e2e.ti.comでは、他のエンジニアに質問し、知識を共有し、アイディアを検討して、問題解決に役立てることができます。
8.6 商標
E2E is a trademark of Texas Instruments.
MIFARE is a trademark of NXP Semiconductors.
FeliCa is a trademark of Sony Corporation.
8.7 静電気放電に関する注意事項
すべての集積回路は、適切なESD保護方法を用いて、取扱いと保存を行うようにして下さい。
静電気放電はわずかな性能の低下から完全なデバイスの故障に至るまで、様々な損傷を与えます。高精度の集積回路は、損傷に対して敏感であり、極めてわずかなパラメータの変化により、デバイスに規定された仕様に適合しなくなる場合があります。
8.8 Glossary
SLYZ022 — TI Glossary.
This glossary lists and explains terms, acronyms and definitions.