JAJSDT7B August 2017 – August 2017 UCC256301
PRODUCTION DATA.
容量性領域とは、スイッチング周波数が上昇すると電圧利得が大きくなるLLC動作領域をいいます。これはZCS領域とも呼ばれています。容量性モードでの動作は、次の2つの理由により回避する必要があります。
容量性領域での動作が発生しないようにするには、まずスルー完了信号を利用する必要があります。スルー完了信号が検出されていれば、逆方向のボディ・ダイオードが導通しているはずはなく、次のFETをオンにすることを示唆しています。スルーが検出されていなければ、IPolarity信号を利用します。次のIPolarity反転事象で、次のゲートがオンになります。IPolarity反転は、容量性動作サイクルがすでに終わったことを示しています。共振電流は逆方向に流れ、スイッチ・ノードの放電を開始します。容量性動作サイクルが終わっていれば、システムは高周波振動段に入り、ここで回路の寄生要素により振動周波数が確定します。この段では、ボディ・ダイオードはもう導通していないので、次のゲートをオンにすることができます。
ただし、高周波振動段では共振電流が非常に小さくなるため、IPolarityを検出し損なうことがあります。このような場合には、最大デッドタイム・タイマの満了により、次のゲートがオンになります。
逆方向のボディ・ダイオードが導通しているときに次のゲートがオンになるのを防ぐだけでなく、容量性領域動作が検出されないサイクルになるまで、スイッチング周波数を強制的に上げます。
容量性領域検出は、HSONまたはLSON立ち下がりエッジにおける共振電流極性を確認して行います。共振電流がLSON立ち下がりエッジにおいて正であったり、HSON立ち下がりエッジにおいて負である場合には、波形発生器のZCS信号が高くなります。容量性領域動作のない半サイクルが生じるまで、ZCS信号は高い状態を維持します。
スイッチング周波数の強制上昇は、抵抗を介してSSピンをGNDにプルダウンすることにより実行されます。詳細はSSピンの節に述べます。
以下は容量性領域回避動作のフローチャートです。