JAJSDZ3 October 2017 UCC256304
PRODUCTION DATA.
波形発生器モジュールは、ハイブリッドヒステリシス制御、アダプティブデッドタイム、ZCS保護機能を実装するステートマシンで構成されています。各LLC動作サイクルは、HSON、DTHL、LSON、DTLHという4つの期間に分かれます。加えて、IDLE状態とWakeUp状態があります。
このステートマシンの初期状態はIDLE状態です。IDLE状態では、システムが低消費電力モードで動作します。WaveGenEnコマンドを受信すると、ステートマシンはWakeUp状態に入り、さまざまな回路ブロックをオンします。ウェークアップ・タイマがタイムアウトすると、システムはLSON (2次側オン)状態に入ります。LSON状態は、デッドタイム状態であるDTLH (2次から1次までのデッドタイム)状態に移行します。DTLH状態の後、1次側がオンになり、システムはHSONに入ります。HSON状態はDTHL (1次から2次までのデッドタイム)状態に移行します。DTHL状態の後、システムはLSON状態に戻ります。
各状態には最小および最大タイマがあります。状態遷移条件とその説明を以下に詳述します。
Table 4 に波形発生器ステートマシン・ブロック図の入力と出力をまとめます。
NOTE
OVPおよびOCP1異常はここに記載されていません。しかし、これらは波形発生器ステートマシンで処理された後、システム状態/異常検出ステートマシンに渡されます。
信号名 | I/O | 説明 |
IPolarity | I | 共振電流の極性(注: この信号にはデッドタイム中に1usのフィルタ機能があります。ここに記載するIPolarity信号はフィルタ後のものです。詳細については、ISNSの節を参照してください) |
SlewDone_H | I | 1次側スイッチが2次から1次へのスルーを完了 |
SlewDone_L | I | 1次側スイッチが1次から2次へのスルーを完了 |
VcrHigherThanVthh | I | VCR電圧が1次閾値Vthhを上回っている |
VcrLowerThanVthl | I | VCR電圧が2次閾値Vthlを下回っている |
VcrHighThanVcm | I | VCR電圧が同相電圧Vcmを上回っている |
WaveGenEn | I | 波形発生器がオンになる |
ZCS | O | ゼロ電流スイッチングが無効になる |
HSON | O | 1次側ゲート・ドライバ・オン |
LSON | O | 2次側ゲート・ドライバ・オン |
HSRampOn | O | 1次側補償電流ランプ・オン |
LSRampOn | O | 2次側補償電流ランプ・オン |
ステートマシンをFigure 53に示し、各状態および状態遷移条件の説明をTable 5に記載します。
状態 | 出力状態 | 説明 |
---|---|---|
IDLE | HSON=0
LSON=0 HSRampOn=0 LSRampOn=0 ZCS=0 |
この状態では、1次側、2次側ともにオフです。さまざまな回路が低消費電力モードで動作しています。これはPOR後の最初の状態です。バースト・オフ期間中もシステムはIDLE状態です。IDLE状態に入ると、バースト・サイクル・カウンタ、スイッチング・サイクル・カウンタ、OCP1カウンタ、OVPカウンタを初期化します。WaveGenEn_Rising=1であれば、スタートアップ・カウンタを初期化します。 |
WakeUp | HSON=0
LSON=0 HSRampOn=0 LSRampOn=0 ZCS=0 |
この状態では、内部回路が低消費電力モードから復帰します。 |
LSON | HSON=0
LSON=1 HSRampOn=0 LSRampOn=1 ZCS=0または1 |
この状態では、2次側ゲートがオンになり、2次側ランプ電流源がオンになります。ZCSは検出された結果によって0または1になります。詳細はZCSの節で述べます。2次側オン・タイマがオンになります。 |
DTLH | HSON=0
LSON=0 HSRampOn=1 LSRampOn=0 ZCS=0または1 |
2次側オンから1次側オンまでのデッドタイム。2次側ランプ電流源がオフになります。1次側ランプ電流源がオンになります。デッドタイム・タイマがオンになります。 |
HSON | HSON=1
LSON=0 HSRampOn=1 LSRampOn=0 ZCS=0または1 |
この状態では、1次側ゲートがオンになり、1次側ランプ電流源がオンになります。ZCSは検出された結果によって0または1になります。詳細はZCSの節で述べます。1次側オン・タイマがオンになります。 |
DTHL | HSON=0
LSON=0 HSRampOn=0 LSRampOn=1 ZCS=0または1 |
1次側オンから2次側オンまでのデッドタイム。1次側ランプ電流源がオフになります。2次側ランプ電流源がオンになります。デッドタイム・タイマがオンになります。 |
状態遷移条件 | 説明 |
1 | WaveGenEn=1およびFBLessThanBMT=0および最小IDLE時間タイムアウト |
2 | 復帰時間タイムアウト |
3 | (VcrLowerThanVthl=1またはLSON最大時間タイムアウト)およびLSON最小時間タイムアウト |
4 | StartUpCounterExpired=0およびDTStartUpTimerExpired=1
DTMaxTimerExpired=1 SlewDone_H=1 SlewDone_H=1およびMeasuredDTExpired=1(注: デッドタイム測定/一致機能が必要かどうかに応じて、トリム・ビットを使用して、この条件と上記の条件を選択可能) IPolarityFallingEdgeDetected=1 |
5 | (VcrHigherThanVthh=1またはHSON最大時間タイムアウト)およびHSON最小時間タイムアウト |
6 | StartUpCounterExpired=0およびDTStartUpTimerExpired=1
DTMaxTimerExpired=1 SlewDone_L=1 IPolarityFallingEdgeDetected=1 |
7 | WaveGenEn=0 |
8 | WaveGenEn=0
(VcrLowerThanVthl=1またはLSON最大時間タイムアウト)およびLSON最小時間タイムアウトおよび(OCP1カウンタのタイムアウトまたはOVPカウンタのタイムアウト) |
9 | WaveGenEn=0 |
10 | WaveGenEn=0
BurstModeCountExpire=1およびVcrHigherThanVcm=1およびFBLessThanBMT=1およびHSON最小時間タイムアウト |
11 | WaveGenEn=0 |
内部変数 | 説明 |
スイッチング・サイクル・カウンタ | このカウンタはスイッチング動作をカウントします。 |
OVPカウンタ | バイアス巻線過電圧カウンタ。このカウンタはバイアス巻線過電圧が生じるたびに減算します。 |
スタートアップ・カウンタ | 起動のカウンタ。波形発生器が2次から1次へのトグルをイネーブルすると、カウンタが15にセットされ、その後スイッチング動作ごとに減算します。カウンタが0になると、起動デッド時間のタイムアウトによりデッドタイム状態は終了となります。 |
バースト・サイクル・カウンタ | バースト・カウンタ。カウンタが15にセットされ、その後「0」になるまでスイッチング動作ごとに減算します。カウンタが「0」のときFBLessThanBMT=1であれば、FBLessThanBMT=0になるまでスイッチャは停止します。 |
OCP1カウンタ | OCP1カウンタ。OCP1が発生すると、カウンタが4にセットされ、その後「0」になるまでスイッチング動作ごとに減算します。 |
ウェークアップ・タイマ | WakeUp状態タイマ |
DT最大タイマ | 最大デッドタイム・タイマ |
スタートアップ・デッドタイム最大タイマ | スタートアップ・カウンタがタイムアウトする前の最初の数回の起動に対するデッドタイム最大クランプ |
ゲート・オン最小タイマ | 最小ゲート・オン時間タイマ |
ゲート・オン最大タイマ | 最大ゲート・オン時間タイマ |