JAJA533B February   2018  – October 2024 LMV771 , LMV981-N

 

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設計目標

入力 出力 電源
ViMin ViMax VoMin VoMax Vcc Vee Vref
-240 mV 240 mV 0.1 V 4.9 V 5 V 0 V 5 V

設計の説明

この回路はAC信号を増幅し、電源電圧の1/2が中央となるよう出力信号をシフトします。入力信号のDCオフセットは0なので、グランドの上下両方にスイングすることに注意してください。この回路の主な利点は、アンプに負の電源がなくても、グランドより低いスイングの信号を入力できることです。

デザイン ノート

  1. R1 は AC 入力インピーダンスを設定します。R4 は オペアンプ出力の負荷になります。
  2. ノイズを減らし、安定性の問題を最小限に抑えるため、低い帰還抵抗を使用してください。
  3. リニア出力スイングに基づいて出力範囲を設定します (Aol の仕様を参照)。
  4. 回路のカットオフ周波数は、アンプのゲイン帯域幅積(GBP)に依存します。R4 と並列にコンデンサを追加すると、追加のフィルタリングを実現できます。また、R4 と並列にコンデンサを追加することで、値の大きい抵抗を使用したときの回路の安定性も向上します。

設計手順

  1. R1 と R4 を選択して、AC 電圧ゲインを設定します。
    R 1 = 1    (Standard Value)
    R 4 = R 1 × G ac = 1   × - 10 V V = 10  (Standard Value)
  2. R2 と R3 を選択して、DC 出力電圧を 2.5V に設定します。
    R 3 = 4 . 99  (Standard Value)
    R 2 = R 3 × V ref V DC - R 3 = 4 . 99 × 5 V 2 . 5 V - 4 . 99 = 4 . 99
  3. 低域カットオフ周波数 fl の値を選択し、C1 を計算します。
    f l = 16 Hz
    C 1 = 1 2 × π × R 1 × f l = 1 2 × π × 1   × 16 Hz = 9 . 94 μF 10 μF  (Standard Value)
  4. fdiv の値を選択し、C2 を計算します。
    f div = 6 . 4 Hz
    R div = R 2 × R 3 R 2 + R 3 = 4 . 99 × 4 . 99 4 . 99 + 4 . 99 = 2 . 495
    C 2 = 1 2 × π × R div × f div = 1 2 × π × 2 . 495 × 6 . 4 Hz = 9 . 96 μF 10 μF  (Standard Value)
  5. 高域カットオフ周波数 fh は、この回路のノイズ ゲインと、デバイス (LMV981) のゲイン帯域幅 (GBW) により設定されます。
    GBW = 1 . 5 MHz
G noise = 1 + R 4 R 1 = 1 + 10 1   = 11 V V
f h = GBW G noise = 1 . 5 MHz 11 V V = 136 . 3 kHz

設計シミュレーション

AC シミュレーション結果

過渡シミュレーション結果

設計の参照資料

テキサス・インスツルメンツ、AC 結合 (HPF) 反転アンプのシミュレーション、SPICE 回路シミュレーション ファイル

テキサス・インスツルメンツ、AC 結合、単一電源、反転および非反転アンプ、リファレンス デザイン

設計に使用されているオペアンプ

LMV981
Vcc 1.8V~5V
VinCM レール ツー レール
Vout レール ツー レール
Vos 1 mV
Iq 116µA
Ib 14nA
UGBW 1.5MHz
SR 0.42V/µs
チャネル数 1 および 2
LMV981

設計の代替オペアンプ

LMV771
Vcc 2.7V~5V
VinCM Vee~(Vcc-0.9V)
Vout レール ツー レール
Vos 0.25 mV
Iq 600µA
Ib -0.23pA
UGBW 3.5MHz
SR 1.5V/µs
チャネル数 1 および 2
LMV771