JAJA643A January   2018  – September 2024 ADS7040 , ADS7041 , ADS7042 , ADS7056 , INA190 , INA190-Q1

 

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  3.   商標

入力 ADC 入力 デジタル出力 ADS7042
-6A 0.3 V 19AH、410d
+6A 2.7 V E66H、3686d
電源
AVDD/VREF DVDD Vsup
3.0 V 1.65 V 40 V

設計の説明

電流シャント モニタは、極めて広い同相電圧範囲での小さいシャント電圧の読み取りに最適化されたアンプです。この応用回路例では、INA190A4 を使用して、±6A の電流を ADC のために 0V~3V の範囲の電圧に変換します。これは同相電圧範囲 40V のハイサイド電流測定であることに注意します。電流センシングの詳しい理論については、『電流センス アンプを使用して今日の電流センシング設計に関する課題を解決する方法』を参照してください。その他の電流シャント デバイスに比べて、INA190 はオフセット電圧、バイアス電流、ドリフトが極めて小さくなっています。この優れた DC 性能により、入力信号に比べてオフセットが小さいため、精度を犠牲にすることなく入力電圧範囲を狭めることができます。所定の電流レベルに対してシャント抵抗が小さいほうがシャントの消費電力は小さくなるため、小さなシャント抵抗を使えることは強みです。ADS7042 は 12 ビット 1MSPS の SAR ADC で、3V のアナログ入力範囲をサポートします。本書に示す設計は、その他のデータ コンバータや入力範囲に合わせて変更できます。この設計は、ノートブック コンピュータ携帯電話バッテリ管理など、電流を監視する必要がある幅広い用途に適しています。

仕様

仕様 目標 計算結果 シミュレーション結果
過渡セトリング < 0.5LSB = 366µV NA 0.94µV
ノイズ NA 3.5mVrms 3.16 mV
帯域幅 NA 33kHz 35kHz

デザイン ノート

  1. シャント抵抗 RSENSE の許容誤差はゲイン誤差につながります。個々の誤差バジェットに基づいて、許容誤差を選択します。INA190A4 の規定のゲイン誤差 (最大値) は 0.3% であり、一般的な 1mΩ 抵抗の許容誤差は 0.5%~1.0% であることに注意します。
  2. シャント抵抗の選択については「部品選定」で述べます。この目的は、高精度を維持しながら消費電力を最小限に抑えることです。
  3. 歪みを最小限に抑えるために、CFILT には C0G コンデンサを使用します。
  4. この設計例は双方向電流源 (±6A など) 用です。単方向電流源 (0A~12A など) についても同様の手法をとることができます。主な違いは、リファレンス入力ピンを 1/2 VREF ではなくグランドに接続することです。

部品選定

DC 伝達特性

以下のグラフに、–7.5A~+7.5A の入力に対する出力の線形応答を示します。必要な線形範囲は ±6A であるため、この回路は設計余裕を確保しながら要件を満たしています。

AC 伝達特性

INA190A4 のデータシートに規定する帯域幅 33kHz とシミュレーション結果である 35kHz はよく一致しています。入力 ADC フィルタは、電荷のキックバックを最小限に抑え、帯域幅を制限しないように設計します (fc(ADC filter) = 312kHz)。この件の詳細については、『TI Precision Labs - Op Amps: Bandwidth 1』を参照してください。

ADC 過渡入力電圧セトリング シミュレーション

ほぼフルスケールの入力 (VinADC = 2.3V)、100kHz のサンプリング レートで ADC 過渡シミュレーションを実行します。INA190 の帯域幅は、フル サンプリング レートの ADC から生じる過渡的な電荷のキックバックに応答するには不十分であるため、サンプリング レートを調整する必要があったことに注意します。この件の詳しい理論については、『Introduction to SAR ADC Front-End Component Selection』を参照してください。

ノイズ シミュレーション

ノイズの手計算は次のとおりです。この計算ではフィルタを 1 次と仮定していますが、帯域幅シミュレーションでは、より複雑な応答が示されています。

計算結果とシミュレーション結果はよく一致しています。アンプ ノイズ計算の詳しい理論については『TI Precision Labs - Op Amps:Noise 4』を、データ コンバータのノイズについては『Calculating the Total Noise for ADC Systems』を参照してください。

使用デバイス

デバイス 主な特長 リンク 他の使用可能デバイス
ADS7042 分解能 12ビット、SPI、サンプル レート 1MSPS、シングルエンド入力、AVDD/Vref 入力電圧範囲 1.6V~3.6V SPI インターフェイス付き 1MSPS 超低消費電力、超小型 SAR (逐次比較型) 12 ビット ADC A/D コンバータ (ADC)
INA190 低電源電圧 (1.7V~5.5V)、広い同相電圧範囲 (-0.2V~40V)、低オフセット電圧 (最大値 Vos < 15µV)、低バイアス電流 (標準値 500pA) ピコアンペア単位のバイアス電流 (pA IB)、イネーブル搭載、40V、双方向、超高精度、電流センス アンプ アナログ電流センス アンプ

主要なファイルへのリンク

テキサス・インスツルメンツ、TINA ソース ファイル、ソフトウェア サポート