JAJA666 October 2020 DLP2021-Q1 , DLP3021-Q1
ある画像が目に見えるためには、その画像の輝度を、画像を投射しようとする表面の自然 (周囲) の輝度より大きくする必要があります。自然の輝度は、周囲の照明の量と表面の反射率の両方で決まります。投射表面の自然の輝度に対する画像の輝度の比を、輝度コントラスト比 (LCR) と呼びます。LCR が 1.5 の場合、画像は通常辛うじて目に見えます。これは、その画像が周囲の表面より 50% 明るいことを意味します。しかし、「辛うじて目に見えること」は通常、見やすさの観点からは不十分です。実用的には、2~4 の最小 LCR が大抵必要です。幅広い周囲条件にわたって最大限の見やすさを実現するには、25 以上の LCR が望ましいとされています。
地面の明るさは、周囲の照明条件とその場所の表面反射率で決まります。街灯直下の明るい街路からは、月によってのみ照らされる田舎道よりも、はるかに多くの光が反射されます。同じ LCR を維持するには、暗い条件よりも明るい条件の方が表示画像をずっと明るくする必要があります。通常、DGP アプリケーションではより高い LCR を持つディスプレイが望ましく、表示画像が明るすぎるということはありません。ダイナミック・グランド・プロジェクタは、最も明るい夜間の周囲条件でも目に見えるように設計する必要があります。より暗い条件は、表示画像の明るさの知覚を向上させるのみです。昼間の輝度条件は、DGP アプリケーションを表示させるに明るすぎて適しません。
表 2-1 に、各種照明条件での周囲輝度レベルの概算値を示します。
夜間の照明条件 | 代表的な周囲照明 (lux) |
---|---|
たそがれ時 | 10.8 |
満月 | 0.108 |
星明かり | 0.0011 |