JAJA671 February   2021 DRV3255-Q1

 

  1. 1はじめに
  2. 2 MHEV と 48V モータ駆動システムの使用
  3. 3 48V モータ駆動システムの設計上の課題
  4. 4 高出力モータ駆動に関する考慮事項
  5. 5 48V モータ駆動システムの安全性とサイズに関する考慮事項
  6. 6結論
  7. 7リファレンス
    1.     商標

48V モータ駆動システムの設計上の課題

48V モータ駆動システムの設計を成功に導く要因がいくつかあります。それは高出力モータ駆動、安全性、および小型化です。高出力モータ駆動は、GHG 排出量削減を達成するために重要となります。安全性は、48V モータが走行時とブレーキ時の動力を生成するために重要となります。また、48V モータがスタータ・ジェネレータとして機能する場合は、エンジン始動時に動力補助を行うために重要となります。小型化は、48V モータ駆動システムを、ICE の近くのエンジン・ルームの限られたスペース内に搭載するために重要となります。

一般的な 48V モータ駆動システムは、自動車のパワートレイン・アプリケーションでは 10kW~30kW の電力を必要とします。48V と 12V のデュアル電源システムは、このレベルの高出力モータ駆動をサポートできます。48V 高出力モータ・ドライバ向けの電源アーキテクチャにはさまざまな種類があります。

図 3-1 に、最も一般的な 48V モータ・ドライバの電源アーキテクチャを示します。48V バッテリは、DC/DC 降圧レギュレータを使用してモータに接続し、モータ・ドライバ、パワー・マネージメント IC、およびマイクロコントローラへの給電を 48V から 12V にダウンコンバートします。12V バッテリからの 12V 給電は、ダイオードの並列接続により、不可欠のモータ制御機能用の12V 給電として確保されます。48V 電源電圧は、国際標準化機構 (ISO) 21780 でカバーされる規格に準拠する必要があります。図 3-2に、これを示します。


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図 3-1 48V 高出力モータ・ドライバ向けの一般的な電源アーキテクチャ

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図 3-2 48V 電圧レベルに関する ISO 21780 の仕様