JAJA722A June 2020 – November 2022 LM5156 , LM5156-Q1 , LM51561 , LM51561-Q1 , LM51561H , LM51561H-Q1 , LM5156H , LM5156H-Q1
電流検出抵抗には、最小電源電圧 VSUPPLY_min と最大負荷電流 ILOAD_max のとき、電流制限を回避できるような値を選択します。部品の公差とレギュレータの電力損失があるため、ピーク電流制限は、計算されるピーク・インダクタ電流から多少のマージンを見込んで多めにを設定する必要があります。20%~40% のマージン (MI_LIMIT = 0.2) が出発点として適切です。Equation5 を使用して、目的のピーク・インダクタ電流制限値を計算します。この設計例では、MI_LIMIT として 30% を選択します。
ここで
適切な電流検出抵抗の選択は、反復的なプロセスです。最初のステップは、外部の勾配補償が不要 (RSL = 0Ω) と仮定し、Equation6 を使用して最大電流検出抵抗を計算することです。
ここで
外部の勾配補償が不要と仮定すると、電流検出抵抗の値はEquation7 で計算できます。
ここで
計算された RS_wo_sl 抵抗値が RS_MAX 抵抗値より小さければ、RS_wo_sl を電流検出抵抗の値 (RS) として選択します。計算された RS_wo_sl 抵抗値が、計算された RS_MAX 抵抗値より大きい場合、電流検出抵抗の値を減らす、外部勾配補償を追加する、という 2 つの方法があります
RSL を1kΩ 未満のゼロでない値に設定すると、外部勾配補償が追加されます。外部勾配補償を追加するアプリケーションでは、Equation8 を使用して RS を計算します。
ここで
RSL はEquation9 を使用して計算されます。
ここで
計算された RSL の値が最大値の 1kΩ を超える場合、検出されたインダクタ電流の下り勾配を減らす必要があります。インダクタ電流の下り勾配を減らすには、LM のインダクタンス値を大きくする必要があります。LM のインダクタンス値を変更した場合、電流検出抵抗を再計算する必要があります。計算された RSL の値が負なら、外部勾配補償は必要ありません。
この設計例では、電流検出抵抗の値として 4mΩ (RS) を選択しています。これは、Equation7 で計算された値に最も近い標準の抵抗値です。この値は、負荷過渡時に電流制限保護がトリガしないように選択します。外部勾配補償は不要で、RSL に 0Ω を選択します。ピーク・インダクタ電流制限は、Equation10 を使用して計算されます。
ピーク・インダクタ電流制限は、外部勾配補償がないため、電源電圧に関係なく一定です。この設計では、インダクタの飽和電流定格を 25A より大きくします。