JAJA722A June   2020  – November 2022 LM5156 , LM5156-Q1 , LM51561 , LM51561-Q1 , LM51561H , LM51561H-Q1 , LM5156H , LM5156H-Q1

 

  1.   LM5156 を使用して昇圧コンバータを設計する方法
  2. 1LM5156 の設計の例
  3. 2サンプル・アプリケーション
  4. 3計算と部品の選択
    1. 3.1  スイッチング周波数
    2. 3.2  インダクタの計算
    3. 3.3  電流検出抵抗の計算
      1. 3.3.1 電流検出抵抗と勾配補償抵抗の選択
      2. 3.3.2 電流検出抵抗のフィルタの計算
    4. 3.4  インダクタの選択
    5. 3.5  ダイオードの選択
    6. 3.6  MOSFET の選択
    7. 3.7  出力コンデンサの選定
    8. 3.8  入力コンデンサの選択
    9. 3.9  UVLO 抵抗の選択
    10. 3.10 ソフトスタート・コンデンサの選択
    11. 3.11 帰還抵抗の選択
    12. 3.12 制御ループの補償
      1. 3.12.1 ループのクロスオーバー周波数 (fCROSS) の選択
      2. 3.12.2 必要な RCOMP の判定
      3. 3.12.3 必要な CCOMP の判定
      4. 3.12.4 必要な CHF の判定
    13. 3.13 効率の推定
  5. 4部品の選択の概要
    1.     25
  6. 5小信号の周波数解析
    1. 5.1 昇圧レギュレータの変調器のモデル化
    2. 5.2 補償のモデル化
    3. 5.3 開ループのモデル化
  7. 6改訂履歴

3.4 インダクタの選択

RS とインダクタは、計算されたインダクタンス値 (LM)、最低電源電圧での RMS インダクタ電流、電流検出抵抗 (RS) によって設定されるピーク・インダクタ電流制限 (ILPEAK_LIMIT) の 3 つのパラメータに従って選択する必要があります。

  • インダクタンス値には 2.2μH が選択されます。これは、ほとんどのメーカーから指定されている標準値です。
  • インダクタの RMS 電流は、平均インダクタ電流 (ILAVG) を計算することで推定でき、平均電源電流とほぼ等しくなります。VSUPPLY = 2.5V のとき、平均インダクタ電流は 16A と推定されます。インダクタの RMS 電流定格は、計算された平均インダクタ電流より大きく、アプリケーションに基づいてインダクタの温度上昇を妥当なレベルに維持する必要があります。
  • インダクタの飽和電流定格は、計算された ILPEAK_LIMIT 値である 25A よりも大きい必要があります。インダクタが飽和すると、レギュレータの正しい動作は保証されません。

この設計例では、インダクタンス値が 2.2μH、RMS が 20A のときに部品の温度上昇が 40℃、飽和電流制限が 32A になるようにインダクタを選択しています。