JAJA756 February   2023 TPS61376

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2バーコード・スキャナ・アプリケーションにおける TPS61376
  6. 3TPS61376 の特長
    1. 3.1 スタートアップ時の突入電流制御
    2. 3.2 負荷過渡時の入力平均電流制限
    3. 3.3 シャットダウン時の完全な負荷接続解除
  7. 4関連資料

バーコード・スキャナ・アプリケーションにおける TPS61376

入力平均電流制限機能を必要とする代表的なアプリケーションの 1 つがバーコード・スキャナです。バーコード・スキャナはバーコード・リーダーとも呼ばれており、光信号を電気に変換する原理を利用してバーコード情報をコンピュータで受け入れ可能な情報に変換する入力デバイスで、図書館、病院、書店、スーパーマーケット、物流などの業界で広く使用されています。

統合性をいっそう高めたバーコード・スキャナの設計において、昇圧コンバータ TPS61376 はどのように役立つでしょうか。バーコード・スキャナの代表的な電源ツリーを 図 2-1 に示します。バーコード・スキャナは通常、光を照射するための大出力のフラッシュ LED を搭載しています。電圧は直列接続されている LED の数に依存し、LED 電流は比較的高く、通常は 2~3A、またはそれ以上です。バーコード・スキャナの電源は USB またはバッテリです。USB インターフェイスは電流容量に最大 500mA の制限があり、このような瞬間的な大電流を供給できないため、通常は瞬間的なエネルギーを供給するためにバッファ・コンデンサをシステムに内蔵しています。

TPS61376 を使用すると、入力平均電流を制限して USB をクラッシュから保護し、入力電圧レールをより高い出力電圧レールに昇圧して大容量の出力コンデンサを充電することができます。入力平均電流制限は、通常動作中およびスタートアップ中にアクティブになります。これにより突入電流が効果的に制限され、電流能力が制限された電源から、大きな負荷を信頼性の高い方法で充電できます。TPS61376 は 0.1A~3A の範囲、最大 ±2.5% の精度でプログラム可能な入力平均電流制限機能を備えています。

GUID-20221216-SS0I-2NJS-HZBX-HJ3Q305TVJRN-low.svg図 2-1 バーコード・スキャナ・システムのブロック図

TPS61376 の入力平均電流制限に関するこれらの機能すべてにより、より統合性の高いバーコード・スキャナの設計が可能になり、追加の eFuse またはスイッチを使用して入力電流制限を実装している古い設計を置き換えることができます。