JAJT285 February 2024 UCD3138
各スイッチング サイクルの電荷量情報を取得する方法がわかったので、新しい制御規則を使用して正弦波入力電流波形を取得する方法を見てみます (図 6 を参照)。
図 2 に示す従来の制御規則と比較して、次の 2 つの違いがあります。
図 6 から、電流基準 IREF は次の式で計算されます。
ここで、IREF は電流ループの基準電流、A は電圧ループ出力 GV、B は VIN のフィードフォワード制御に使用される Vrms2、C は VIN2 です。
図 5 から、各スイッチング サイクルの平均インダクタ電流は式 2 で計算されます。
ここで、IAVG は平均インダクタ電流、I1 は各スイッチング サイクルの開始時のインダクタ電流、I2 は各スイッチング サイクルのインダクタ電流ピーク値、TON は昇圧スイッチ Q のターンオン時間、TOFF は昇圧ダイオード D の導通時間、T はスイッチング周期です。
各スイッチング サイクルの C1 (VCHARGE) のピーク電圧は、式 3 で計算されます。
ここで、C は C1 の容量です。
定常状態では、制御ループは VCHARGE を強制的に IREF に一致させます (式 4 を参照)。
定常状態で動作する昇圧タイプのコンバータでは、昇圧インダクタに印加されるボルト秒を各スイッチング周期で平衡させる必要があります (式 5 を参照)。
式 6 で、定常状態では C と T は両方とも一定であり、GV、VOUT、Vrms2 は変化しないため、IAVG は VIN に追従します。VIN が正弦波の場合、IAVG も正弦波となるので、PFC が実現されます。式 2 と式 3 は CCM と不連続導通モード (DCM) の両方に対して有効であるため、式 6 は CCM と DCM の両方の動作に対して有効です。