JAJU896 June 2023 ADS131M08 , MSPM0G1507
電気メータにおいて、負荷のエネルギー消費量は一般にキロワット時 (kWh) パルスの分数で測定されます。この情報を使用して、メータを正確にキャリブレーションし、高精度の測定を行うことができます。通常、測定素子 (MSPM0+ マイクロコントローラ) は、消費されるエネルギーに比例するパルスを生成します。これら両方のタスクを効率的に実行するには、正確にパルスを生成し、ジッタを少なくする必要があります。時間ジッタは精度の低いこと示すものではありませんが、時間ジッタはメータの総合的な精度の負を示します。この精度の負を示すことから、ジッタを平均化する必要があります。
このアプリケーションは、平均電力を使用して、これらのエネルギー・パルスを生成します。DRDY ポート ISR 割り込みが発生するたびに平均電力が累算され、前の 1 秒のタイム・フレームで累算されたエネルギーが、現在の 1 秒のタイム・フレーム内で発生した各割り込みに対して均等に拡散されます。この累算プロセスは、電力をエネルギーに変換するのと同等です。累算エネルギーがスレッショルドを超えると、パルスが生成されます。このスレッショルドを超えるエネルギーの量が保存され、次の割り込みサイクルで、スレッショルドの上に新しいエネルギー値が加算されます。平均電力は安定した値になる傾向があるため、この方法でエネルギー・パルスを生成すると非常に安定し、ジッタは発生しません。
このスレッショルドは、メータの製造元によって指定されたエネルギー・ティックを決定し、一定値です。このティックは通常、1kWh あたりのパルス数、または単に kWh 単位で定義されます。エネルギー・ティックごとに 1 つのパルスを生成する必要があります。たとえば、このアプリケーションでは、有効および無効エネルギーについて、kWh ごとに生成されるパルス数を 6400 に設定します。この場合のエネルギー・ティックは 1kWh/6400 です。エネルギー・パルスが生成され、ヘッダーと、基板上の発光ダイオード (LED) で利用できます。パルスの生成には GPIO ピンが使用されます。
このリファレンス・デザインで、[Active] というラベルの付いた LED は、3 相合計の有効エネルギー消費量に対応しています。[Reactive] は、3 相で累算された無効エネルギーの合計に対応します。
パルス生成のフロー図を、図 3-8 に示します。
平均電力は 0.001W 単位で、1kWh のスレッショルドは次のように定義されます。