JAJU896 June 2023 ADS131M08 , MSPM0G1507
per_sample_dsp() 関数のフローチャートを、図 3-6 に示します。per_sample_dsp() 関数は、中間ドット積結果の計算に使用され、その結果をフォアグラウンド・プロセスに送り、計測読み取り値が計算されます。電圧と電流の両方のサンプルが処理され、専用の 64 ビット・レジスタに累算されます。位相ごとの有効電力と無効電力も、64 ビット・レジスタに累算されます。
十分なサンプル (約 1 秒分) が累算された後で、フォアグラウンド機能がトリガされ、VRMS、IRMS、有効電力、無効電力、皮相電力、有効エネルギー、無効エネルギー、皮相エネルギー、周波数、力率の最終値が計算されます。テスト・ソフトウェアには、位相に対応する 2 つのドット積のセットがあります。どの時点でも、片方がフォアグラウンドで計算に使用され、もう片方はバックグラウンドでワーキング・セットとして使用されます。バックグラウンド・プロセスで十分なサンプルが得られた後、プロセスは 2 つのドット積を交換し、フォアグラウンドはバックグラウンド・プロセスで計算された、新たに取得されたドット積を使用し、バックグラウンド・プロセスは新しい空のセットを使用して、次のドット積のセットを計算します。電圧チャネルにリーディング・エッジのゼロクロス (- から + への電圧遷移) が存在する場合、per_sample_dsp() 関数も位相の対応する周波数 (サイクルあたりのサンプル数) を更新します。
以降のセクションでは、per_sample_dsp() 関数での電気測定のさまざまな要素について説明します。