JAJU919 December 2023
アーク タンジェント法では、ノイズや高調波の成分が存在するため、位置と速度の推定精度に影響が出ます。この問題を解消するために、IPMSM のセンサレス制御構造では、PLL モデルを速度と位置の推定に使用できます。セクション 2.4.2.2.1.2 に、SMO とともに使用される PLL 構造を示します。逆 EMF の推定値 および を PLL モデルで使用すると、図 2-22 に示すように、モーターの角速度と位置を推定できます。
一方、 、 、 であることから、位置誤差は 式 24 のように定義できます。
ここで、
ここで、 の場合、式 24 は 式 25 のように簡略化できます。
さらに、EEMF の正規化後の位置誤差を求めることができます (式 26)。
解析に従うと、直角位相ロックループの位置トラッカーの簡略ブロック図は、図 2-23 のようになります。PLL の閉ループ伝達関数は、式 27 のように表すことができます。
ここで、
固有周波数 と減衰比 は、式 28 のとおりです。