JAJY130 December 2022 BQ79731-Q1
図 3 に、簡略化した CSU を示します。CSU はパックの実際のセル内で密接に動作し、セル・モニタ・デバイスの配線ハーネスを接続して、重要なパック・データをホスト BCU に効率的に送り返すことができます。
CSU なしでは、バッテリ・パックのステータスに関する情報はほとんど得られません。CSU からの診断データ出力により、健全性状態と充電状態の推定が可能になり、システムの安全性目標に直接影響を及ぼします。高精度モニタにより、これらのアルゴリズムは非常に正確な推定値をドライバに提供し、充電ごとに最大の効率を実現できます。通常、この動作は受動的に実行され、大電流が発生するため、保守と測定において熱管理が課題となります。全体として、洗練された CSU をパックに実装すると、車両の寿命全体を通じて充電サイクルが改善され、全体的な体験がより安全で、より良好なものになります。
上記のバッテリ・パックの利点を最大化するために、このようなセル・ステータス測定機能が対応できることが増えています。健全性状態と充電状態の計算を行うには、これらの測定値を可能な限り高いデータ・レートで安全かつ信頼性の高い方法で同期すると、最適な推定が可能になります。400V を超える高電圧パックが採用される傾向にあり、インテリジェントな CSU 設計により、パック全体でのセル・データ送信数が増加しています。最も手頃な HEV / EV を実現するには、可能な限り低い消費電力と外付けのプリント基板部品を使用してこれらの利点を実現する方法が課題となります。
LFP が一般的になるにつれて、NMC (図 4 に示す) と比較して平坦な放電曲線を使用するには、EV の使用可能な走行距離を判定するために、より正確なセル電圧測定が必要になります。テキサス・インスツルメンツ (TI) の BQ79718-Q1 スタッカブル・バッテリ・モニタとセル・バランサは、直列になった 18 個のセルを測定します。セル電圧の測定精度は ±1mV で、電流容量 300mA のパッシブ・セル・バランシング機能を持っています。また、このデバイスは BQ79731-Q1 バッテリ・モニタとの組み合わせで電圧と電流の同期測定をサポートし、より正確な健全性状態と充電状態の計算を可能にします。