JAJY141 December 2023 BQ25756
前述のとおり、バッテリ チャージャの設計には USB PD やポータブル バックアップ電源の増加に関連してさまざまな課題がありますが、BQ25756 昇降圧バッテリ充電コントローラは各課題の解決に役立ちます。具体的には、以下の 3 つの特長があります。
70V の入力のサポートにより、USB PD の電圧範囲全体がサポートされます。また、昇降圧コントローラ トポロジにより、VIN と VBATT の値に応じて降圧モードと昇圧モードが自動的に切り替わるため、バッテリの電圧に関係なく、あらゆる USB Type-C 入力が有効になります。70V の出力がサポートされるため、BQ25756 では最大 14 のリチウムイオン直列セルおよび最大 16 のリチウムイオン リン酸塩セルを充電できます。
双方向の電力伝送機能により、同じ USB Type-C ポートを使用してバッテリ パックの充電と放電を行うチャージャ システムを設計できます。BQ25756 は、逆方向の昇降圧により、リバース モードの VOUT がバッテリ パックの電圧よりも小さいか大きいかに関係なくバッテリ パックから放電できます。この機能により、消費者は USB Type-C ポートを使用して、ポータブル電源ステーションや電動アシスト自転車などの製品のバッテリ パックからラップトップやスピーカなどの機器を充電できます。
BQ25756 はソーラー充電アプリケーション用の MPPT を搭載し、以下の 3 つの点が改善されています。
デフォルトの設定で自律型の MPPT を実行できるほか、MPPT アルゴリズムのサイクルの間隔など、MPPT の機能を I2C を使用してカスタマイズすることもできます。MPPT アルゴリズムが終了すると、タイマが再起動し、選択した時間の経過後に新しいサイクルが開始されます。アルゴリズムの実行中、チャージャは VIN のグローバル スイープを実行して絶対的な MPP を求めます。図 8 に示すように、複数のソーラー パネルを直列または並列に設置すると、MPP の候補となるピークが複数形成されます。真の MPP を見つけるためには、アルゴリズムですべてのピークを走査しなければなりません。BQ25756 は、ピークが複数ある場合でも、すべての VIN 値をスイープして最大 MPP を特定します。