設計目標
入力 |
出力 |
電源 |
ViMin |
ViMax |
VoMin |
VoMax |
Vcc |
Vee |
-12 V |
12 V |
-12 V |
12 V |
15 V |
-15 V |
カットオフ周波数 (fc) |
ダイオードのスレッショルド電圧 (Vt) |
10 kHz |
20 mV |
設計の説明
このローパス フィルタ トポロジは、従来型の単極 RC フィルタと比べてセトリング時間が大幅に短縮されています。このセトリング時間の短縮は、入力と出力の電圧の差が十分大きい場合、ダイオード D1 および D2 を使ってフィルタ コンデンサを急速に充電および放電することで実現しています。
デザイン ノート
- オペアンプの同相入力制限を調べます。
- C1 を小さく保つと、オペアンプは容量性負荷を確実に駆動できます。
- セトリング時間をできるだけ短くするには、高速スイッチングのダイオードを使用します。
- 選択するオペアンプには、C1 を充電するのに十分な出力駆動能力が必要です。R3 は、最大充電電流を制限します。
設計手順
- fC = 10kHz に基づいて、R1 および C1 の標準値を選択します。
- ダイオードのスレッショルド電圧 (Vt) を設定します。このスレッショルドは、ダイオードが導通する (コンデンサの高速充電および放電) ために必要な、入力と出力との最小電圧差です。
- ノイズの前置フィルタ処理用の部品を選択します。
- U1 を安定させるための補償部品を追加します。R3 は C1 への充電電流を制限し、ダイオードの導通時にオペアンプ出力から容量を分離する役割も果たします。この値を大きくすると安定性が増しますが、C1 の充電時間が長くなります。
- C2 は、ローカル入力高周波帰還を行い、R1 と R2 の並列接続と入力容量との間の相互作用を打ち消します。C1 との相互作用を防止するため、C2 は次のように選択します。
設計に使用されているオペアンプ
OPA827 |
Vss |
8V~36V |
VinCM |
Vee+3V~Vcc-3V |
Vout |
Vee+3V~Vcc-3V |
Vos |
75µV |
Iq |
4.8mA |
Ib |
3pA |
UGBW |
22 MHz |
SR |
28V/µs |
チャネル数 |
1 |
OPA827 |
設計の代替オペアンプ
TLC072 |
Vss |
4.5V~16V |
VinCM |
Vee+0.5V~Vcc-0.8V |
Vout |
Vee+350mV~Vcc-1V |
Vos |
390µV |
Iq |
2.1mA/Ch |
Ib |
1.5pA |
UGBW |
10 MHz |
SR |
16V/µs |
チャネル数 |
1、2、4 |
TLC072 |