BAW は微小共振器技術の 1 つであり、高精度かつ超低ジッタのクロックを他の回路と共にパッケージ内に直接統合できます。LMK6C および CDC6CLVCMOS 発振器ファミリでは、一緒に配置された高精度温度センサ、超低ジッタ低消費電力の出力分周器、シングルエンドの LVCMOS 出力ドライバ、複数の低ノイズ LDO で構成された小規模な電源 / リセット / クロック管理システムが BAW に統合されています。
図 1 に、BAW 共振器技術の構造を示します。この構造には、金属の薄膜と、機械的エネルギーを閉じ込めるその他の層との間に挟まれた圧電性材料の薄い層が含まれます。BAW は、この圧電変換を利用して振動を生成します。
デバイス | タイプ | 主な特長 |
---|---|---|
CDC6C |
低消費電力 LVCMOS 発振器 |
1MHz と 200MHz の間の標準周波数、±50ppm の周波数精度、1ps の RMS ジッタ |
LMK6C | 超低ジッタ LVCMOS 発振器 |
1MHz~200MHz の間の任意の周波数、±25ppm の周波数精度、200fs の RMS ジッタ |
LMK1C1104 | 1:4 LVCMOS バッファ | 1.8V~3.3V 電源、20fs の超低付加ジッタ |
LMK6C および CDC6C BAW 発振器は、ファクトリ オートメーション アプリケーションで、イーサネットまたは USB コントローラ インターフェイスのほか、バックプレーンの MPU や FPGA にクロックを供給するために使用できます (図 2 を参照)。
BAW 発振器には、高いレベルの信頼性、優れた性能、多くの使用事例での柔軟性という 3 つの主な利点があります。
BAW 発振器の
水晶発振器 (XO) に比べて 20~30 倍長い MTBF (平均故障間隔)
超低ジッタの LMK6C LVCMOS BAW 発振器の RMS ジッタは標準値で 200fs、最大値で 500fs です。CDC6C は低消費電力ソリューションで、標準 RMS ジッタは 400fs、最大 RMS ジッタは 1ps です。
標準的な周波数出力では、CDC6C は低消費電力 (代表値 7mA) を特長とし、業界最小のDLY (1.6mm x 1.2mm) を含む 4 つの標準的な発振器パッケージで供給されます。CDC6C は、1.8V~3.3V の間の任意の電源電圧をサポートします。
標準以外またはカスタムの出力周波数については、LMK6C は高性能の分数出力分周器 (FOD) を使用して 1MHz~200MHz 間の任意の周波数を実現できます。また LMK6C は、より厳格な位相ノイズやジッタ要件を必要とするアプリケーションにも最適です。
CDC6C および LMK6C のどちらの発振器ファミリも、パッシブ水晶振動子に比べてレイアウト上の利点があります。水晶振動子では、共振周波数を調整して発振を維持するために数個の受動部品が必要です。これに対し、CDC6C や LMK6C などのアクティブ発振器で必要になるのは、電源フィルタリングのためのコンデンサが 1 つだけなので、部品点数が減り必要なレイアウト面積を削減できます。さらに、PCB パターンによる寄生容量はアクティブ発振器の周波数精度に影響を与えないため、水晶振動子よりもはるかにレシーバから離れた場所に配置できます。