LDO 入力電圧 | LDO の出力電圧 | 電圧スーパーバイザによるミュート スレッショルド(1) |
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12V | 3.3V | 7V |
電源コンディショニングは、オーディオ アプリケーションの重要な要素です。車載ヘッド ユニットや車載アフターマーケット プレミアム オーディオのシステムに一般的に使用される回路では、電源が安定するまでオーディオ用デジタル / アナログ コンバータ (DAC) とアンプが無音状態になるように、ハードウェア レベルのミュート機能が実装されています。また、オーディオ DAC に混入するノイズを減らすため、電源には多少のコンディショニングが必要です。この回路では、低ノイズ、低ドロップアウト (LDO) 電圧レギュレータを使用して、オーディオ DAC 用の +3.3V 電源を生成する方法を紹介します。LDO には、電源電圧を維持できる入力電圧範囲が広いという利点もあります。電圧スーパーバイザを使用して、LDO の供給電圧が低下し始めたときに DAC に通知することにより、電源が消失する前にオーディオ DAC は出力をソフトミュートできます。これにより、シャットダウンやスタートアップ時の不要なクリック音やポップ音を減らすことができます。
VREF 構成では、オーディオ DAC によって内部基準電圧が生成されます。これにより、システムで優れた PSRR 性能が得られます。この設計の欠点は、電源電圧が低下した場合、出力がクリップする可能性があることです。
設計目標として VDD が +3.3V、この LDO の VREF が約 0.8V なので、R1 に 35.7kΩ、R2 に 11.5kΩ を使用します。さらに、FB ノードには電流の要件が存在することに注意してください。このため、R2 を選択するときは次の式を指針として使用することを推奨します。
SNS 電圧が基準電圧の約 1.15V よりも低いとき、SNS-OUT ピンが LOW にプルされます。R3 に 10kΩ、R4 に 2kΩ を使用すると、VBATTERY 電源が約 6.9V を下回った場合にデバイスはミュートされることが推定されます。
LDO にコンデンサ CNR/SS を接続することで、ノイズを低減し、LDO のソフトスタート機能を有効にできます。
次のシミュレーションは、回路の電源オン時の過渡を示したものです。VBAT 入力電圧が約 6.9V に達するまで、MUTE 出力が解放されないことが分かります。
次のシミュレーションは、VBAT 入力が 6.9V を下回ったとき MUTE 出力がアサートされることを示しています。
次のシミュレーションは、DAC の VDD 電源がブラウンアウト イベントによって低下する前に、DAC がミュート状態になることを示しています。VBAT 電圧が約 6.9V を下回ると、MUTE 信号が LOW にアサートされます。VBAT が回復すると、MUTE 信号はアサート解除されます。
デバイス | 主な特長 | リンク | 他の使用可能デバイス |
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PCM5102A | 2VRMS DirectPath™、112dB オーディオ ステレオ DAC、32 ビット、384kHz PCM インターフェイス付き | 2Vrms DirectPath™、112dB オーディオ ステレオ DAC、32 ビット、384kHz PCM インターフェイス付き | オーディオ DAC |
TPS7A8300 | 2A、6µVRMS、低ノイズ、LDO 電圧レギュレータ | パワー グッド搭載、2A、低い VIN、低ノイズ、超低ドロップアウト電圧レギュレータ | リニア レギュレータと低ドロップアウト(LDO)レギュレータ |
TPS389001 | 低静止電流、1% 精度スーパーバイザ、プログラマブル遅延付 | プログラマブル遅延機能搭載、低静止電流、1% 精度、スーパーバイザ | スーパーバイザとリセット IC |
CSD13380F3 | 12V N チャネル FemtoFET™ MOSFET | ゲートの ESD (静電気放電) 保護機能搭載、0.6mm x 0.7mm の LGA 封止、シングル、76mΩ、12V、N チャネル NexFET™ パワー MOSFET | MOSFET |
テキサス・インスツルメンツ、SBAM414 回路の付属シミュレーション ファイル、ソフトウェア
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