JAJA741 November 2022 LMK6C , LMK6D , LMK6H , LMK6P
図 1-1 に、BAW 共振器技術の構造を示します。この構造には、金属の薄膜と、機械的エネルギーを閉じ込めるその他の層との間に挟まれた圧電性材料の薄い層が含まれます。BAW は、この圧電変換を利用して振動を生成します。
BAW 発振器は、グリッド・インフラ設計でそのまま置き換えることができる部品として使用できます。
図 1-2 と図 1-3 に、BAW 発振器が組み込まれたスマート・メーターと AC 充電 (バッテリ) ステーションの基本的なブロック図を示します。BAW 発振器は、各種の周波数と電圧レベルに柔軟に対応できるため、クロック供給のための代替手段として全体システムのあらゆる場所で使うことができます。
MEMS や水晶発振器と比較した場合の BAW 発振器の主な利点の 1 つは、非常に優れたジッタ性能です。図 1-4 に、LMK6C (LVCMOS) BAW 発振器の 25MHz 出力クロックのジッタ性能を示します。
テキサス・インスツルメンツの BAW 発振器ファミリは、1.8V、2.5V、3.3V の電源電圧に対応しており、DLE (3.2mm × 2.5mm) および DLF (2.5mm × 2mm) パッケージで供給されるため、小型ボード設計でスペースを節約できます。図 1-5 に、BAW 発振器のレイアウト (左側の 2 つ) と、比較対照として、代表的な水晶発振器のレイアウトと、水晶発振器と BAW 発振器の組み合わせのレイアウト (右側の 2 つ) を示します。
BAW 発振器は、温度安定性と耐振動性の点で高いレベルの信頼性を備えています。図 1-6 は、-40℃~105℃の温度範囲での性能を水晶発振器と比較したものです。温度範囲全体で、BAW 発振器は ±10ppm の周波数精度を達成しています。
図 1-7 に、BAW 発振器の振動に対する感受性を示します。BAW 発振器振動に対する感受性は 1ppb/g (標準値) であり、これは水晶発振器ソリューションの感受性 (5~10ppb/g) よりも大幅に優れています。