TIDA-00181
絶縁 4 レール、プッシュプル IGBT ゲートドライブ電源
TIDA-00181
概要
このリファレンス・デザインは、24V の単一 DC 入力電圧を受け入れ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁型ゲート・バイポーラ・トランジスタ)ゲート・ドライバで必要とされる、正と負の絶縁型電圧レールを供給します。IGBT は、AC モーターの速度を制御する可変周波数駆動用の三相インバータで使用されます。このリファレンス・デザインでは、プッシュプル絶縁型制御トポロジーを使用して、IEC61800-5 に準拠する絶縁を実現するとともに、事前安定化された 24Vdc 入力を受け入れて動作することを想定しています。
(5% 以内で)安定化した入力ソースを受け入れ、プッシュプル PWM コントローラを使用して、簡潔な開ループとフリーランニング発振回路を実装することもできます。このトポロジーは本質的には、デュアル駆動巻線を形成するために使用される 2 個の 1 次側巻線を採用したフォワード・コンバータと言えます。このトポロジーでは、フライバック・トポロジーやフォワード・トポロジーに比べて、トランスの鉄芯に流れる磁化電流をより効率的に最大限活用します。フライバック構成やフォワード構成に対するこの構成のもう 1 つの利点は、より大電力の駆動を実現するために、供給する出力をスケールアップできることです。
このリファレンス・デザインでは、単一のコントローラから、並列に配置された複数のトランスを制御できるというプッシュプル・トポロジーのもう 1 つの利点も活用して、三相 IGBT インバータで必要とされる絶縁型電圧レールすべてを生成しています。
最後に、大電力で駆動を実行する大規模 IGBT は、典型的な IGBT ゲート・ドライバで供給できる値より大きいゲート・ドライブ電流を必要とすることがあります。そのような状況では、設計者は多くの場合、追加のトランジスタを使用してゲート電流を大きくします。このリファレンス・デザインでは、正の出力で +16V、負の出力で -8V を供給し、そのようなトランジスタによる追加の電圧降下を補償できるようにしています。
特長
- インバータの 3 個のアーム(半導体スイッチ)に対応する 6 個の IGBT ゲート・ドライバをサポート(ハーフ・ブリッジ構成内に各アームを配置)
- プッシュプル・トポロジーにより、三相の電力を供給するために並列に配置したトランス段を単一のコントローラから制御
- 事前安定化した 24V の入力を受け入れて動作
- IGBT ごとに、絶縁強化された低リップル(<200mV)の出力を 2 つ供給:+16V(x2)と -8V(x2)
- 出力電力:IGBT ごとに 2W、ハイパワー IGBT をサポートするためのスケール化が可能
- セーフ・トルク・オフ(STO)機能を実現する目的で、電源をシャットダウンするためのオプション
- 出力コンデンサは、最大 6A のピーク・ゲート・ドライブ電流をサポートする定格
- IEC61800-5 を満たす目的で設計済み
組み立てられたボードは、テストと性能検証のみの目的で開発されたものであり、販売していません。
設計ファイルと製品
設計ファイル
すぐに使用できるシステム・ファイルをダウンロードすると、設計プロセスを迅速化できます。
設計に使用したコンポーネント、参照指定子、メーカー名や型番などを記入した詳細なリスト
製品
設計や代替製品候補に TI 製品を含めます。
技術資料
種類 | タイトル | 英語版のダウンロード | 日付 | |||
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* | 設計ガイド | Isolated IGBT Gate-Drive Push-Pull Power Supply With 4 Outputs (Rev. A) | 2016年 6月 20日 | |||
ホワイト・ペーパー | Power Electronics in Motor Drives: Where is it? (Rev. A) | 2019年 10月 1日 | ||||
アプリケーション・ノート | IGBTゲート・ドライバの電源は最適化されていますか? | 英語版 | 2016年 4月 8日 | |||
アプリケーション・ノート | 産業用ドライブにおけるIGBTゲート・ドライバ用電源トポロジの分析 | 英語版 | 2016年 2月 17日 |