JAJSDZ3 October 2017 UCC256304
PRODUCTION DATA.
以下にシステム状態シーケンスの概要を述べます。
状態遷移図は、UCC256304の電源が入っていない状態からスタートします。システムを電源につなぐと、HVピンJFETがイネーブルになり、HVピンに接続されているソースからVCC容量に電流を供給し始めます。VCCピン電圧がそのVCCStartSwitching閾値を超えると、システム状態がJFETOFFに変わります。PFC出力電圧が一定レベルに達すると、LLCがオンになります。LLCが動作し始めるまでは、LOピンが高く維持されてLLCブリッジのHSが低く抑えられるため、HBピンとHSピンの間の容量をVCCからブートストラップ・ダイオードを経由して充電できます。UCC256304は、ブート容量がフル充電されたことを確認するため、一定の時間CHARGE_BOOT状態のままとなります。LLC出力電圧が一定レベルに達すると、PFCとLLCの両方にLLC変圧器バイアス巻線から電力が供給されます。負荷が一定レベルを下回ると、LLCはバースト・モードで動作します。
異常状態が発生すると、動作を停止したり、一定時間一時停止してから自動的にリスタートします。これにより、持続的な異常状態があれば、何度もリスタートを試みるため、UCC256304や電力コンバータの温度が上昇を続けることはありません。
Table 1にFigure 49の入力と出力をまとめます。
信号名 | I/O | 説明 |
---|---|---|
OVP | I | 出力過電圧異常 |
OTP | I | 過熱異常 |
OCP1 | I | ピーク電流異常 |
OCP2 | I | 平均電流異常(2msタイマ) |
OCP3 | I | 平均電流異常(50msタイマ) |
BLKStart | I | バルク電圧が開始閾値を上回っている |
BLKStop | I | バルク電圧が停止閾値を下回っている |
BLKOV | I | バルク過電圧異常 |
RVCCUVLO | I | RVCC UVLO異常 |
VCCReStartJfet | I | VCCがリスタート閾値を下回っている |
VCCStartSwitching | I | VCCがスタート・スイッチング閾値を上回っている(この閾値は自己バイアス・モードと外部バイアス・モードで異なる) |
ACZeroCrossing | I | ACゼロクロスが検出された |
FBLessThanBMT | I | FBReplica電圧がバースト・モード閾値を下回っている |
WaveGenEn | O | 波形発生器をオンにする |
RVCCEn | O | RVCCが導通する |
VCCClampEn | O | VCCクランプ・モードを有効にする(詳細はVCCピンの節) |
SSEn | O | ソフトスタートを有効にする |
XcapDischarge | O | Xコンデンサ放電が可能になる |
HVFetOn | O | JFETをオンまたはオフにする |
ステートマシンをFigure 50に示し、各状態と状態遷移条件の説明をその下の表にまとめます。
状態 | 出力状態 | 説明 |
---|---|---|
STARTUP | WaveGenEn=0
RVCCEn=0 VCCClampEn=1 SSEn=0 HVFetOn=1 |
これはパワー・オン・リセット(POR)後の最初の状態です。この状態では、HV JEFTがオンになり、VCC電圧が13Vに制御されている電圧クランプ状態で動作していることから、内部回路がトリム設定をロードして起動することができます。 |
JFETON | WaveGenEn=0
RVCCEn=0 VCCClampEn=0 SSEn=0 HVFetOn=1 |
この状態では、JFETはオンです。VCCクランプ・モードは無効です。HV起動電流はIHVHighに制御されています。 |
JFETOFF | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 VCCClampEn=0 SSEn=0 HVFetOn=0 |
VCCがVCCStartSwitching閾値を上回ると、JFETがオフになり、システムはJFETOFF状態に入ります。電圧が制御されたRVCCがオンになります。PFCソフトスタートが開始します。 |
WAKEUP | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 VCCClampEn=0 SSEn=0 HVFetOn=0 |
BLK電圧がBLKStartレベルに達すると、システムはWAKEUP状態に入り、アナログ回路を復帰させるためにWAKEUP状態を150us間維持します。 |
CHARGE_BOOT | WaveGenEn=0
RVCCEn=1 VCCClampEn=0 SSEn=0 HVFetOn=0 |
この状態では、2次側スイッチを一定時間オンにすることにより、BOOT容量が充電されます。 |
STEADY_STATE_RUN | WaveGenEn=1
RVCCEn=1 VCCClampEn=0 SSEn=1 HVFetOn=0 |
この状態では、波形発生器がオンです。ソフトスタート機能が有効です。LLCがソフトスタートを開始します。ソフトスタートが完了すると、システムは通常動作に入ります。 |
LIGHT_LOAD_RUN | WaveGenEn=1
RVCCEn=1 VCCClampEn=0 SSEn=1 HVFetOn=0 |
通常動作中にFBReplicaがバースト・モード閾値を下回ると、システムはLIGHT_LOAD_RUNモードに入ります。FBLessThanBMT時間をカウントします。この時間が200msを超えた場合には異常とみなし、システムを再起動します。 |
FAULT | WaveGenEn=0
RVCCEn=0 VCCClampEn=0 SSEn=0 HVFetOn=0 |
異常状態が生じた後、システムは異常状態に入り、1秒経ってからリスタートします。1秒タイマにより、システムがクールダウンできるため、持続的異常の場合に何度も起動を繰り返すことを防げます。 |
状態遷移条件 | 説明 |
---|---|
1 | システム準備完了(トリムのロード完了) |
2 | VCCStartSwitching=1
VCCReStartJfet=0 |
3 | BLKStart=1
BLKStop=0 BLKOV=0 RVCCUVLO=0 |
4 | BLKStart=1
BLKStop=0 BLKOV=0 RVCCUVLO=0 FBLessThanBMT=0 |
5 | 充電ブート完了 |
6 | FBLessThanBMT=1 |
7 | FBLessThanBMT=0 |
8 | VCCReStartJfet=1 |
9 | VCCReStartJfet=1 |
10 | VCCReStartJfet=1 |
11 | VCCReStartJfet=1 |
12 | VCCReStartJfet=1 |
13 | FBLessThanBMTタイムアウト |
14 | BLKOV=1 |
15 | BLKOV=1 |
16 | OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1 |
17 | OTP=1またはBLKOV=1または
BLKStop=1またはOVPまたはOCP1またはOCP2タイムアウトまたは OCP3タイムアウトまたはRVCCUVLO=1 |
18 | OTP=1 |
19 | OTP=1 |
20 | OTP=1 |
21 | OTP=1 |
22 | OTP=1 |
23 | 1秒間一時停止タイムアウト |
Figure 51 は最もよく使用されている状態遷移のみを示しています(起動状態において異常がなく、すべての状態がタイミング・チャートに取り込まれていると仮定)。ステートマシンによって、さまざまな状態遷移が発生しますが、このセクションでは捕捉していません。
Figure 51に通常の起動手順を示します。システムは通常動作に入り、その後、異常(OCP、OVP、またはOTP)が発生します。
NOTE
OCP1およびOVPは高速フォルトであるため、まず波形発生器ステートマシンで処理されます。
1秒間一時停止した後リスタートするようにシステムを設定します。