JAJA591A June   2018  – October 2024 TLV3201 , TLV7011

 

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  3.   商標

設計目標

電源 発振周波数
Vcc Vee f
5 V 0V 1 MHz

設計の説明

この発振器回路は、選択した周波数の方形波を生成します。これは、抵抗 R1 を通してコンデンサ C1 を充電および放電することで行われます。その発振周波数は、R1と C1 の RC 時定数と、R2、R3、R4 の抵抗ネットワークで設定されるスレッショルド レベルによって決まります。発振器の最大周波数は、コンパレータのトグル レートと出力の容量性負荷によって制限されます。この発振器の回路は、時間基準またはスーパーバイザのクロック ソースとして一般に使用されます。

デザイン ノート

  1. コンパレータのトグル速度と出力容量は、高速の発振器を設計するときの重要な考慮点です。
  2. C1 には、浮遊容量に起因する誤差が最小となるように、十分に大きな値を選択します。
  3. セラミック コンデンサを使用する場合、温度に対して最高の安定性を得るため、COG または NPO タイプを使用します。
  4. 浮遊容量の影響を最小化するため、R2、R3、R4 抵抗ネットワークには値の小さい抵抗を選択します。
  5. R2、R3、R4 を調節して、50% 以外のデューティ サイクルを設定することもできます。

設計手順

  1. R2 = R3 = R4 のとき、この抵抗ネットワークは非反転入力の発振器トリップ ポイントを電源電圧の 1/3 と 2/3 の電位に設定します。
  2. 出力が High の際に出力を Low に戻すための上側トリップ ポイントは、電源電圧の 2/3 に設定されます。
    V o  = V s R 3 (R 2 ∥R 4 )+R 3  =  2 3 V s  = 3.33V
  3. 出力が Low の際に出力を High に戻すための下側トリップ ポイントは、電源電圧の 1/3 に設定されます。
    V o  = V s R 3 ∥R 4 (R 3 ∥R 4 )+R 2  =  1 3 V s  = 1.67V
  4. 発振のタイミングは、抵抗 R1 を通してコンデンサ C1 が充電および放電する速度によって制御されます。このコンデンサは、コンパレータの反転入力の電圧を設定します。コンデンサの放電時間を計算します。
    V c  = V i e - t R 1 C 1
    1.67 3.33  = e - t R 1 C 1
    t = 0.69R 1 C 1
  5. コンデンサの充電時間を計算します。
    V i  = V c 1-e - t RC
    1.67 = 3.33 1-e - t RC
    1.67 3.33  = e - t RC
    t = 0.69R 1 C 1
  6. コンデンサの充電および放電時間は、0.69R1C1 で与えられます。目的の発振器周波数が 1MHz のとき、充電または放電の時間は 500ns になります。
    0.69R 1 C 1  = 500ns
    R 1 C 1  = 724ns
  7. C1 に 100pF を、R1 に 6.8kΩ (実際に選択できる最も近い値) を選択します。

設計シミュレーション

過渡シミュレーション結果

設計の参照資料

回路 SPICE シミュレーション ファイル SBOMAO3 を参照してください。

設計で使用されているコンパレータ

TLV3201
Vss 2.7V~5.5V
VinCM レール ツー レール
tpd 40ns
Vos 1 mV
VHYS 1.2 mV
Iq 40µA
出力方式 プッシュ プル
チャネル数 1
TLV3201

設計の代替コンパレータ

TLV7011
Vss 1.6V~5.5V
VinCM レール ツー レール
tpd 260ns
Vos 0.5 V
VHYS 4 mV
Iq 5µA
出力方式 プッシュ プル
チャネル数 1
TLV7011