JAJA731A march 2022 – may 2023 TMAG5170 , TMAG5170-Q1 , TMAG5170D-Q1 , TMAG5173-Q1 , TMAG5273
システム固有の非線形性に対処するため、多くの場合、最高精度の結果を確実に得られるようにキャリブレーションを実装する必要があります。アークタンジェント計算を実行する前に機械的誤差または電気的誤差に対処すると、最も線形性の高い結果が得られますが、多くの場合、各誤差発生源に個別に対処するのは現実的ではありません。代わりに、既知の角度を基準に測定を行い、最終的なプロファイルを作成できます。マイクロコントローラで使用される最終的な位置誤差を最小にするため、測定された角度から誤差が減算されます。さまざまな機械的誤差モードのそれぞれの影響が組み合わさることで生じる可能性のある角度誤差を考慮します。通常、軸上の場合は誤差はほとんど発生しませんが、これらの要因が組み合わさると、複雑な誤差パターンが発生します。図 6-1 では、1 回のフル回転中に周期的振幅が変動しています。
このような角度測定誤差のキャリブレーションには、2 つの手法が一般的です。1 つは、多点ルックアップ・テーブルを使用して、誤差曲線の区分近似を生成する方法です。データ点の数を増加すると、結果として得られるプロットは実際のシステム誤差に急速に近づきます。以下に、8、16、32 点キャリブレーションの誤差曲線の例を比較します。
この方法を使用するには、ルックアップ・テーブルが必要です。このルックアップ・テーブルを使用して、これらの既知の値間では誤差が直線的に変化すると想定し、最も近いデータ点間の誤差を近似します。
もう 1 つの方法では、方程式に基づくソリューションを使用して、すべての位置の誤差を近似します。誤差は本質的に周期的であるため、各高調波の正弦値と余弦値の組み合わせを使用して近似することができます。ここでも、データ点の数が増加するにつれて、精度も向上します。図 6-5 と同じ誤差プロファイルを使用すると、最初の 4 つの高調波を補正した後に、より精度の高い結果を得ることができます。
TMAG5170 を使用した角度符号化の詳細と、ラボ環境でキャプチャしたキャリブレーション例については、『精密なモーター位置制御のためのホール効果センサ搭載絶対角度エンコーダのリファレンス・デザイン』を参照してください。