以下の手順では、電流制御パラメータの値を選択する方法を説明しています。
ATQ_TRQ_MIN は、モーターに印加される最小負荷トルクをサポートするために必要な最小モーター電流です。
- このパラメータを求めるには、
- 最小負荷トルク (TMIN) でモーターに負荷をかけ、フルスケール電流 (IFS) でモーターを駆動します。
- ATQ_UL および ATQ_LL をゼロに設定し、KP を 1 に設定します。
- モーターがストールするまで電流を低減します。
- モーターがストールする電流 (IA) に注意してください。
- ATQ_TRQ_MIN = 1.1 x IA に設定します。
- ATQ_TRQ_MAX を求めるには、
- モーター電流が IA のとき、最大負荷トルク (TMAX) でモーターに負荷をかけ、モーターをストールさせます。
- モーター電流を増やし始めます。モーターがストールから再始動する電流 (IB) に注意します。
- ATQ_TRQ_MAX = 1.1 x IB に設定します。電流が ATQ_TRQ_MAX で、負荷トルクが TMAX のときの ATQ_CNT (AMAX) に注意してください。
- ATQ_UL の場合、
- 初期値を 0.5 x AMAX に設定します。
- アプリケーション固有の負荷プロファイル (ピーク負荷とアイドル負荷) を適用します。
- モーターがストールした場合、モーターがストールしなくなるまで、ATQ_UL の値を小さくします。
- 負荷プロファイルの適用後にモーターがストールしない場合、モーターがストールするまで、ATQ_UL を増加させます。
- ATQ_UL の値が大きいほど、ピーク負荷時の電力をより節約できますが、負荷過渡が速い場合、モーターがストールする可能性があります。
- ATQ_UL の値が小さいほど、ピーク負荷時の省電力性が低下しますが、モーターのストールおよびステップ損失の可能性も低下します。
- ほとんどのアプリケーションでは、ATQ_UL と ATQ_LL の差が 2 であることが適切な出発点です。
- VM_SCALE ビットは、ユーザーが ATQ_UL および ATQ_LL を設定した後でのみ、1b にする必要があります。
ATQ_UL、ATQ_LL、ATQ_TRQ_MAX、および ATQ_TRQ_MIN パラメータを選択した場合のフローチャートを#GUID-0F7E9DFE-DCA2-4A6C-9D65-16AE4D842534 に示します。
図 2-6 ATQ_TRQ_MIN、ATQ_TRQ_MAX、ATQ_UL、ATQ_LL の選択