JAJA788A June   2021  – September 2022 AMC3301 , AMC3301-Q1 , AMC3302 , AMC3302-Q1 , AMC3306M05 , AMC3306M25 , AMC3330 , AMC3330-Q1 , AMC3336 , AMC3336-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   商標
  4. 1はじめに
  5. 2入力接続が AMC3301 ファミリの放射エミッションに及ぼす影響
  6. 3AMC3301 ファミリの放射エミッションの減衰
    1. 3.1 フェライト ビーズとコモン モード チョーク
    2. 3.2 AMC3301 ファミリの PCB 回路図とレイアウトのベスト プラクティス
  7. 4複数の AMC3301 デバイスの使用
    1. 4.1 デバイスの配置
    2. 4.2 複数の AMC3301 の PCB レイアウトのベスト プラクティス
  8. 5まとめ
  9. 6AMC3301 製品ファミリの特性表
  10. 7改訂履歴

フェライト ビーズとコモン モード チョーク

設計者は、AMC3301 ファミリに接続される入力パターンまたはケーブルの長さを制限する必要があります。ただし、一部のアプリケーションでは、長い入力パターンまたはケーブルが必要になり、過剰な放射エミッションが発生する可能性があります。この放射は、入力接続と直列にフェライト ビーズまたはコモン モード チョークを使用することで減衰できます。フェライト ビーズまたはコモン モード チョークを選択する場合、部品のデータシートに掲載されている周波数に対するインピーダンスのプロットを参照してください。対象となる周波数範囲 (CISPR 11 の場合は 150MHz から 800MHz まで) にわたって最小 1kΩ のインピーダンス (z) を推奨します。インピーダンスが大きいと放射エミッションがより効果的に減衰します。表 3-1 に、推奨されるフェライト ビーズとコモン モード チョークを示します。

表 3-1 フェライト ビーズとコモン モード チョークに関する推奨事項
種類メーカー部品番号
フェライト ビーズWurth Elektronik74269244182
フェライト ビーズMurata (村田製作所)BLM15HD182SH1
フェライト ビーズTaiyo YudenBKH1005LM182-T
コモン モード チョークMurata (村田製作所)DLW31SN222SQ2

1.5m 入力および 30cm 入力に対してフェライト ビーズまたはコモン モード チョークを追加する利点を示すには、それぞれ 図 3-1図 3-2 を参照してください。これらのテストでは、ウルトエレクトロニクス (Wurth Elektronik) の 74269244182 フェライト ビーズと、村田製作所の DLW31SN222SQ2 コモン モード チョークを直列に入力接続に追加しました。

図 3-1 に、1.5m 入力の放射エミッションを示します。フェライト ビーズやコモン モード チョークがない場合は青で示しており、CISPR 11 class B の制限に違反しています。フェライト ビーズによる減衰の利点を赤、コモン モード チョークを緑で示しています。フェライト ビーズとコモン モード チョークはどちらも、放射エミッションを大幅に減衰させるので、AMC3301EVM は CISPR 11 class B のテストに合格することが可能です。

AMC33xx AMC3301EVM CISPR 11 測定、1.5m 入力図 3-1 AMC3301EVM CISPR 11 測定、1.5m 入力

図 3-2 に、30cm 入力の放射エミッションを示します。すべてのテスト ケースは、青色で示すようにフェライト ビーズやコモン モード チョークを使用しない状況も含め、CISPR 11 class B のテストに合格しています。これは、この試験に合格するために追加の部品は必要ではないことを意味しており、減衰の利点を示すために、フェライト ビーズを使用した測定結果を赤、コモン モード チョークを緑で表示しています。

AMC33xx AMC3301EVM CISPR 11 測定、30cm 入力図 3-2 AMC3301EVM CISPR 11 測定、30cm 入力