JAJT343 August   2024 TPS1200-Q1 , TPS1211-Q1

 

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  2. 1はじめに
  3. 2出力電圧スルーレート制御機能
  4. 3並列プリチャージ経路
  5. 4PWM に基づく、容量の自動充電
  6. 5設計上の考慮事項とテスト結果
  7. 6まとめ
  8. 7参考資料
  9. 8関連ウェブサイト

はじめに

自動車アーキテクチャのドメイン ベースからゾーン ベースへの移行は、車載用パワー ディストリビューションを大きく変化させつつあり、半導体スイッチ ベース ソリューション (図 1 を参照) は、ワイヤ ハーネスの保護に使用されている従来型溶融ヒューズを置き換えようとしています。これらのソリューションは、ヒューズ時間電流のばらつきが少ないなどの利点があるため、ワイヤ ハーネスのケーブルの直径、重量、コストを低減できる可能性があります。半導体スイッチは間接的にリセットすることもできます。これは、ヒューズに簡単にアクセスできるようにする必要がないことを意味しており、設計者は、電源から負荷までのケーブル長が短くなるような位置にヒューズを配置できます。

 ドメイン ベースのパワー ディストリビューション アーキテクチャ。図 1 ドメイン ベースのパワー ディストリビューション アーキテクチャ。
 ゾーン ベースのパワー ディストリビューション アーキテクチャ。図 2 ゾーン ベースのパワー ディストリビューション アーキテクチャ。

半導体スイッチをスマート ヒューズ デバイスとして使用する場合のシステム設計上の課題には、スイッチがオン状態のときの静止電流の低減と、負荷 (電子制御ユニット [ECU] 入力) で典型的に見られる大きな容量性負荷を駆動する出力のターンオンが含まれます。各パワー ディストリビューション ボックス (PDB) 出力に接続されている ECU のタイプと数に応じて、ECU は 47µF~5mF の入力容量を持っているため、ECU の起動時間 (高速充電時間 1ms 未満、中速充電時間 10ms 未満、低速充電時間 50ms 未満) には注意を払う必要があります。これらの ECU 入力容量を、ECU の起動時間内に MOSFET (金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ) スイッチを通して充電することは、ゾーン ベース アーキテクチャにおける主要なシステム設計課題の 1 つです。

この記事では、ハイサイド スイッチ コントローラを使って容量性負荷を駆動する際の課題に対応するための各種手法について説明します。