JAJY135C February   2022  – October 2024 DP83TG720R-Q1 , DP83TG720S-Q1 , TCAN1043A-Q1

 

  1.   1
  2.   概要
  3.   はじめに
  4.   E/E アーキテクチャの課題の克服
  5.   パワー・ディストリビューションの課題と解決策
  6.   パワー・ディストリビューションの分散化
  7.   溶断ヒューズを半導体ヒューズに交換する
  8.   スマート・センサとアクチュエータの課題と解決策
  9.   ゾーン モジュール - 新しいマイコンの要件
  10.   スマート センサとアクチュエータ
  11.   データの課題と解決策
  12.   データ・タイプ
  13.   データの時間制約
  14.   通信のセキュリティ
  15.   まとめ

パワー・ディストリビューションの分散化

ゾーン・アーキテクチャでは、ゾーン・ゲートウェイを使用して、ゾーン内のスマート・センサ、アクチュエータ、ECU にデータを分散し、集中型コンピューティング・モジュールとの通信のためデータを統合します。これらのゾーン・データのゲートウェイは、ゾーン内のモジュールに電力を分配することもできます。たとえば、単一の電源ハーネスをバッテリからゾーンに配線するとき、そのゾーン内のゾーン・モジュールはそのゾーン内のモジュールに電力を分配します。図 2 には、この概念も示されています。ここでは、ゾーン・モジュールがそのゾーン内のモジュールに電力を分配します。つまり、ゾーン・モジュールには、電力の分配に必要な、関連するヒューズやリレーが含まれています。

このパワー・ディストリビューション方式の利点は、集中型のパワー・ディストリビューションに必要なハーネス配線の長さと比較して、バッテリから各ゾーンに配線されるパワー・ハーネスの長さが短くなることです。パワー・ハーネスの長さが減少することで、重量とコストを低減できます。

分散型パワー・ディストリビューションの課題の 1 つは、ゾーン内の負荷に関係なく、あらゆるゾーンで動作するパワー・ディストリビューション・ボックスを設計することです。これにより、設計コストが低減するほか、在庫管理も軽減できます。半導体マイコン (MCU)、ハイサイド・スイッチ、トランシーバを含むスマート・パワー・ディストリビューション・ボックスを使用すると、そのゾーンの負荷に合わせ、ソフトウェアを使用してハードウェアを構成できます。