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  • 高精度 DAC を使用した LDO 用電源マージニング回路

    • JAJA606B January   2019  – September 2024 DAC53608 , DAC60501 , DAC60508 , DAC8831 , TPS79501-Q1

       

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Analog Engineer's Circuit

高精度 DAC を使用した LDO 用電源マージニング回路

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設計目標

電源 (VDD) 公称出力 マージン HIGH マージン LOW
5 V 3.3 V 3.3V + 10% 3.3V - 10%

設計の説明

電源マージニング回路は、電力コンバータの出力の微調整に使用されます。これは、電源出力のオフセットとドリフトの調整と、出力の目標値の設定のどちらかのために行われます。低ドロップアウト レギュレータ (LDO) や DC/DC コンバータなどの可変電源には目的の出力電圧を設定するために使う帰還または調整用入力があります。高精度電圧出力デジタル / アナログ コンバータ (DAC) は、電源出力を線形的に制御できるように設計されています。下図に、電源マージニング回路の例を示します。電源マージニングの一般的な用途は、試験 / 測定、通信機器、パワー デリバリです。

デザイン ノート

  1. 必要な分解能、プルダウン抵抗値、出力範囲を持つ DAC を選択します。
  2. DAC 出力と VOUT の関係を導出します。
  3. 帰還回路を流れる電流 (標準値) に基づいて R1 を選択します。
  4. DAC の電源オフおよび電源オン条件を考慮して、VDAC のスタートアップ値または公称値を計算します。
  5. 目的の微調整範囲について DAC の出力電圧範囲とともに目的のスタートアップ出力電圧が満たされるように、R2 と R3 を選択します。
  6. マージン LOW およびマージン HIGH の DAC 出力を計算します。
  7. 目的のステップ応答が得られるように補償コンデンサを選択します。

設計手順

  1. 計算のため、LDO TPS79501 デバイスを選択します。DAC53608 デバイスは非常に低コストの 10 ビット、8 チャネル、ユニポーラ出力の DAC であり、このようなアプリケーション向けに設計されています。
  2. 電源の出力電圧は次の式で与えられます。

    ここで、

    • I1 は、R1 を流れる電流
    • I2 は、R2 を流れる電流
    • I3 は、R3 を流れる電流

    このアプリケーションの DAC には通常は電源オフ モードがあり、電圧出力にはプルダウン抵抗が内蔵されています。このため、前の式の電流値を置き換えると、次の式が得られます。

    • DAC が電源オフ モードのとき
    • DAC 出力が電源オンのとき

    DAC53608 の場合、RPULL-DOWN は 10kΩ です。この LDO (部品番号 TPS79501) では、VREF の値は 1.225V です。

  3. R1 は次の方法で計算できます。
    TPS79501 の FB ピンに流れる電流は 1µA です。この電流を無視できるようにするため、I1 >> IFB とする必要があります。I1 には 50µA を選択します。R1 は次のように計算します。

    I1 の公称値は次の式で与えられます。

    • DAC が電源オフモードのとき
    • DAC 出力が電源オンのとき

    I1 の値は、マージン HIGH およびマージン LOW 出力のとき、次の式で与えられます。

  4. VDAC の公称値またはスタートアップ値は、次の方法で計算できます。

    DAC が電源オフから電源オンに移行するとき、10kΩ の抵抗が影響しないようにするため、DAC 電圧の電源オン時のスタートアップ値は次の式で計算できます。

    前の数式は、さらに次のように単純化できます。

  5. R2 および R3 の値は、次のように計算できます。

    VDAC の電源オン時のスタートアップ値または公称値が VREF の 1/3、すなわち 408.3mV に保たれる場合、R3 は 2 × 10kΩ = 20kΩ です。R2 は次のように計算できます。

    R3 に値を代入すると、R2 の値は 133kΩ と計算されます。

  6. I1 のマージン HIGHigh 値と公称値、対応する式を減算すると、次の値が得られます。

    ここから、次の式により VDAC のマージン HIGH 値は 249mV、同様にマージン LOW 値は 567mV と計算されます。

  7. 補償コンデンサを使用しない場合、この回路のステップ応答には以下の曲線に示すような多少のオーバーシュートとリンギングが発生します。この種の過渡応答は、負荷回路で誤動作を発生させることがあります。この問題を最小化するには、補償コンデンサ C1 を使用します。このコンデンサの値は通常、シミュレーションにより得られます。比較対象として、22pF の補償コンデンサを使用した場合の出力波形を示します。
 DC 伝達特性DC 伝達特性
 補償なしでの小信号ステップ応答補償なしでの小信号ステップ応答
 C1 = 22pF での小信号ステップ応答C1 = 22pF での小信号ステップ応答

設計に使用しているデバイスと代替部品

デバイス 主な特長 リンク
DAC53608 8 チャネル、10 ビット、I2C インターフェイス、バッファ付きの電圧出力 DAC 超小型 QFN パッケージ、10 ビット、8 チャネル、I2C、電圧出力 DAC
DAC60508 高精度リファレンス内蔵 8 チャネル、真の 12 ビット、SPI、電圧出力 DAC 超小型 WCSP パッケージ封止、高精度内部リファレンス搭載、真の 12 ビット、8 チャネル、SPI 対応、電圧出力 (Vout) DAC
DAC60501 高精度基準電圧を内蔵した 12 ビット、1LSB INL の DAC WSON パッケージ封止、高精度内部リファレンス搭載、真の 12 ビット、1 チャネル、SPI/I2C 対応、電圧出力 DAC
DAC8831 16 ビット、超低消費電力、電圧出力 DAC 16 ビット、超低消費電力、電圧出力 D/A コンバータ
TPS79501-Q1 車載用カタログのシングル出力 LDO、500mA、可変 (1.2~5.5V)、低ノイズ、高 PSRR 車載、イネーブル搭載、500mA、調整可能な低ドロップアウト電圧レギュレータ

設計の参照資料

テキサス・インスツルメンツ、SBAM415 TINA ソース ファイル、ソフトウェア サポート

商標

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