電源設計の限界をさらに押し上げ、業界をリードする電力密度を実現する新製品ラインアップを発表

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、2つの新しい電力変換デバイス製品ラインアップを発表しました。

7 3 月 2024 | Products and technologies, 2024

ニュースのハイライト

  • 放熱特性強化型パッケージ テクノロジを採用した 100V 窒化ガリウム(GaN)パワーステージは、ソリューション サイズを40%以上小型化し、スイッチング損失を50%低減して電力効率の向上を実現
  • 業界最小クラスの 1.5W 絶縁型 DC/DC モジュールは、車載および産業用のアプリケーションで8 倍を超える電力密度を達成

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、2つの新しい電力変換デバイス製品ラインアップを発表しました。この製品ラインアップは、より小さなスペースでより多くの電力を供給し、低コストで最高クラスの電力密度を提供します。TIの新しい 100V GaN 内蔵パワーステージは、放熱強化の両面冷却パッケージ テクノロジを採用しているため、熱設計を簡素化し、中電圧アプリケーションで 1.5kW/in3という最高クラスの電力密度を達成します。TI の新しいトランス内蔵 1.5W 絶縁型 DC/DC モジュールは、業界最小クラスのサイズと最高クラスの電力密度を実現し、車載と産業用のシステムで絶縁型バイアス電源のサイズを 89% 以上小型化できます。詳細については、TI.com/LMG2100 と TI.com/UCC33420-Q1 をご覧ください。

TIの高電圧製品事業部でゼネラル マネージャを務める Kannan Soundarapandianは次のように述べています。「電源設計者にとって、限られたスペースでより多くの電力を供給することは、常に設計の重要な課題です。例えば、エンジニアが電力密度の高いサーバー向け電源ソリューションを設計できれば、データ センターをより効率的に運用して処理能力のニーズ増大に対応しながら、環境に及ぼす影響を最小限に抑えることができます。TIは、エンジニアが最高クラスの電力密度、効率、放熱性能を実現できるよう支援するイノベーションを提供することで、パワー マネージメントの限界を押し上げ続けていきます」

100V GaN 内蔵パワーステージを活用し、電力密度と効率を向上

TI の新しい 100V GaN パワーステージである 『LMG2100R044』と『LMG3100R017』を採用することで、中電圧アプリケーションの電源ソリューションのサイズを 40% 以上小型化できるほか、GaN テクノロジの高いスイッチング周波数を活用して1.5kW/in3を上回る電力密度を達成できます。 また、新製品ラインアップは、シリコン ベースのソリューションに比べ、スイッチング電力損失を 50% 低減すると同時に、出力容量の低減やゲート ドライブ損失を低減することで、システム効率を 98% 以上向上させることができます。例えば、ソーラー インバータ システムの場合、密度と効率が向上すると、同じパネルでより多くの電力を蓄積・生成できるのと同時に、マイクロインバータ システム全体のサイズを小型化できます。

100V GaN 製品ラインアップの放熱性能向上を実現する鍵となるのは、放熱特性に優れたTIの両面冷却パッケージです。このテクノロジにより、デバイスの両面(上面と底面)で効率的に放熱し、競合の GaN 内蔵デバイスと比較して熱抵抗を小さくすることができます。

中電圧アプリケーション向け、TI の 100V GaN パワーステージの利点については、技術記事『‌‌‌‌GaN‌‌ を採用してエレクトロニクス設計を変革する、4 つの中電圧向けアプリケーション‌』をご覧ください。

バイアス電源を 89% 以上小型化

TI の新しい 1.5W 絶縁型 DC/DC モジュールは、ディスクリート ソリューションに比べて 8 倍以上高い電力密度や、競合のモジュールと比べて 3 倍以上高い電力密度を達成しており、4mm x 5mm の VSON(very thin small outline no-lead)パッケージで、車載と産業用のシステムで最大の出力電力と絶縁性能(3kV)を実現します。TI の『UCC33420-Q1』と 『UCC33420』は、少ない部品数とシンプルなフィルタ設計で、CISPR(国際無線障害特別委員会)で定められる厳格なEMI規格のCISPR 32やCISPR 25などを容易に満たすことができます。

これらの新しいモジュールは、TI の次世代トランス内蔵テクノロジを採用しており、バイアス電源の設計で外部トランスを不要にします。このテクノロジにより、ソリューション サイズを 89% 以上、高さを最大 75% に小型化すると同時に、ディスクリート ソリューションに比べて部品表(BOM)を半分に減らすことができます。

この初の車載認証取得済み小型パッケージ ソリューションを採用すると、バッテリ管理システムなど電気自動車(EV)向けのバイアス電源ソリューションで、フットプリント、重量、高さを低減することができます。データ センターなどスペースに制約がある産業用電源供給においては、この新しいモジュールを使用することでプリント基板の面積を最小限に抑えることができます。

TI の 1.5W 絶縁型 DC/DC モジュールの詳細については、技術記事『超小型絶縁型 DC/DC モジュールを活用して電力密度を向上する方法』をご覧ください。

TI.com で今すぐご購入可能

  • 100V GaN パワーステージである 『LMG2100R044』 と 『LMG3100R017』 は、量産に対応できる数量を TI.com で提供中
  • 1.5W 絶縁型 DC/DC モジュールである 『UCC33420』 と 『UCC33420-Q1』 は、量産開始前の数量を、TI.com で提供中。入力電圧、出力電圧、電力定格が低い他のバージョンは2024 年第 2 四半期に入手可能になる見込み
  • 複数の支払いオプションと配送オプションが利用可能

※すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。

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