フォトカプラを選択するときは、電流伝達率 (CTR)、2 次側のダイオード電圧降下、1 次側の BJT の容量など、いくつかの主要なパラメータを考慮する必要があります。以下に示す式で、CTR は 図 3-2 の kOPTO、ダイオード電圧降下は VD、BJT 容量は COPTO と、それぞれ同義です。
- 選択した部品によって、CTR は大幅に変化します。すべての動作条件にわたって、CTR の値に最大 600% のばらつきが生じる可能性があります。CTR の公差がこのように大きいことから、ループ補償部品を選択する際には、最小 CTR 値と最大 CTR 値を考慮する必要があります。この設計では、選択したフォトカプラの CTR は 100%~200% です。
- ダイオードの電圧降下は、RLED 値の選択に影響を与えます。確実な動作が行えるよう、電圧リファレンスに十分な電圧を供給する必要があることから、ダイオードの電圧降下は十分に小さくする必要があります。選択したフォトカプラのダイオード電圧降下は 1.4V です。
- プルアップ抵抗 (RPULLUP) と寄生容量 (COPTO) は極を形成し、制御ループの最大クロスオーバー周波数を制限します。プルアップ抵抗を選択すると、フォトカプラのデータシートからフォトカプラの容量が計算されます。選択したフォトカプラの静電容量は、約 3.3nF と計算されます。クロスオーバー周波数は極よりも低くする必要があり、この設計では約 9.66kHz です。
選択したフォトカプラの主要なパラメータの要約を、表 3-2 に示します。
表 3-2 選択したフォトカプラのパラメータ
パラメータ |
値 |
kOPTO_min |
100% |
kOPTO_max |
200% |
VD |
1.4V |
COPTO |
3.3nF |
VCE(sat) |
200mV |