JAJT325 May   2024 AFE88101 , DAC161S997 , DAC8551 , LM74610-Q1 , TVS3301

 

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  2. 1はじめに
  3. 2ソーラー電力オプティマイザとは?
  4. 3ソーラー電力オプティマイザの出力バイパス機能
  5. 4出力バイパス回路のソリューション
  6. 5低電圧の理想ダイオード コントローラを使用したスケーラブルなバイパス スイッチ ソリューション
  7. 6LM74610-Q1 逆電圧範囲拡張の動作原理
  8. 7まとめ
  9. 8その他の資料

出力バイパス回路のソリューション

通常、バイパス回路には 2 種類のソリューションがあります。図 3 に、P-N 接合ダイオードまたはショットキー ダイオードを使用してバイパス機能を実現する一般的な方法を示します。低コストで使いやすく、選択したダイオードで非常に高い逆電圧を得ることができます。ただし、順方向電圧降下が高い (0.5V~1V) ため、電力損失が大きくなり、プリント基板が大型化するいう欠点があります。バイパス ダイオード ソリューションの欠点を克服するためには、電圧降下が大幅に低く、電力損失が低い (RDS(on) が低いため) N チャネル MOSFET を使用することが選択肢となります。ただし、次のような欠点もあります。

  • MOSFET はスタンドアロンのソリューションではなく、スイッチとして動作させるために制御回路が必要で、通常は、ディスクリート MOSFET ドライバ回路を搭載したマイクロコントローラ (MCU) が使用されます。
  • MCU は PV パネルからの電力を必要とするため、PV パネルがひどく損傷していたり、影や日陰で完全に覆われていたりする場合、MCU は動作せず、MOSFET はオンになりません。
  • MCU が故障した場合、MOSFET はオンにできず、バイパス パスは MOSFET のボディ ダイオードを通ります。ただし、MOSFET のボディ ダイオードは大電流に耐えられず、高熱を蓄積して発火する危険性があります。
 ソーラー オプティマイザでバイパス スイッチを使用した場合の代表的なソリューション図 3 ソーラー オプティマイザでバイパス スイッチを使用した場合の代表的なソリューション

MCU ベースのオン / オフ制御方式の欠点に対処するインテリジェントな方法としては、外部の介入なしで自律的に動作するスタンドアロンの MOSFET コントローラの使用が挙げられます。テキサス・インスツルメンツのフローティング ゲート理想ダイオード コントローラ、 LM74610-Q1 ファミリは、外付けの N チャネル MOSFET を制御して直列ダイオードの動作をエミュレートすることで、スタンドアロンの低損失バイパス スイッチ ソリューションを実現しています。これらのコントローラはフローティング ゲート ドライブ アーキテクチャを採用しており、MOSFET のボディ ダイオードの順方向電圧降下 (約 0.5V) と同程度の低い入力電圧で動作できます。

しかしながら、ソーラー インバータの電力レベルが高くなり、より高電圧の PV パネルの採用が増えるにつれて、バイパス回路には従来のソリューションよりも優れたソリューションを実現するためのいくつかの要件が求められます。複数のプラットフォームで拡張性を持たせるために、20V~150V の PV パネル電圧で動作し、他の回路から独立していることが求められます。