JAJY126A June 2021 – September 2021 HDC2010 , HDC2021 , HDC2022 , HDC2080 , HDC3020 , HDC3020-Q1 , HDC3021 , HDC3022
ストレス試験は、RH センサの信頼性を確保する上で不可欠です。ストレス試験の結果は、過酷な環境条件下での RH センサの耐用期間を予測できるためです。しかし、アプリケーション開発で湿度センサを使用する場合、保存と取り扱いに関する特有のガイドラインを考慮する必要があります。
図 2 に示すように、ポリマーを空気に触れさせるオープン・キャビティを RH センサは備えており、特定の化学反応を可能にしています。その化学反応によって環境の相対湿度 (RH) を計算できます。空気にさらされたポリマーは、85℃/85% を含む極端な条件 (データシートの仕様を超える条件) の影響を受け、RH 測定でのシフトを引き起こす可能性があります。
システムが依然として機能的に動作することを確認することが目的である場合、この試験で問題ないでしょう。実際に、チップレベルで BHAST を実行した場合、予想される結果はこれと同じです。しかし、データシートの条件を超えたストレス・テストの後も、精度パラメータがデータシートの仕様内にとどまる必要がある場合、システム開発者は問題に直面します。RH センサのストレス試験では、当然のこととして、過酷ではあっても現実的な環境条件のフィールドで、期待するセンサ性能が得られる相対湿度と温度を選択する必要があります。データシートの仕様の範囲を超える相対湿度と温度を選択すると、フィールドでのセンサ性能を高精度では予測できません。
図 3 に、湿度センサにストレスを与える有効な方法を示します。このグラフは、露点温度の世界記録 (35℃/95°F) を示します。これは、地球の大気中に保持されている (42.0711mmHg の) 既知の最大水分量 (100% RH) を表しています。85℃/85% RH は 81℃の露点に換算されます。これは、地球の大気中で実現可能な値をはるかに超えています。空気中の水分が一定であると仮定すると、温度を上げることで RH の理論値を計算できます。たとえば、図 3 で、85℃では RH はわずか 9.7% です。図 3 のこれらを超える温度と RH の試験点は、センサに過大なストレスを加え、想定されるフィールド・ストレス・シナリオでのセンサ性能の期待値を表しません。これらの試験点は、センサの品質と性能に関して誤った情報をもたらします。
表面温度が上がるに従って、大気の湿度も上がります。今後の地球温暖化を考慮する場合、図 4 に示すようにガードバンドを使用できます。温暖化が 1℃進むと飽和蒸気圧は約 7% 上昇します。
図 4 に、35℃の露点の測定記録に加えて、40℃と 50℃の仮想的な露点の外挿値を示します。85℃とその他の高温でも、RH は依然として非常に低いことに注意します。