世界各地の製造
次世代を担う半導体製造施設を構築
地政学的に信頼性の高い供給体制を実現
TI には、多様な地域にわたる形で、世界各地に自社所有の製造拠点を設置して運用してきた長い歴史があります。現在、世界各地にある 15 箇所の拠点に、複数のウエハ ファブ、複数のアセンブリおよびテスト工場、複数のバンプ (突起形成などの加工) 施設とプローブ (検証) 施設があります。TI はアナログと組込みプロセッシングの各半導体を合計で毎年数百億個製造し、80,000 種類以上の製品を、世界各地の 100,000 社以上のお客様に提供しています。お客様をより的確に支援できるように、TI は社内製造能力への投資を通じて供給の確実性を高めています。
今後数十年の成長を支える、TI の製造能力への投資
TI は、300mm ウエハ ファブの製造を強化するために戦略的投資を実施し、効率と品質の改善を進めています。また、既存の 200mm 製造施設への重点的な投資も実施しています。TI のアセンブリとテストの拠点は、個別の半導体製品をウェハーから切り離し、パッケージングとテストを実施する拠点であり、お客様の需要に対応できるように、拡張、刷新、オートメーション (自動化) を継続的に実施しています。これらの新規投資は、TI 社内のウェハー製造能力、および社内のアセンブリとテストの業務遂行能力を 2030 年までに 90% 以上拡大する計画に対応するものです。
300mm ウエハ ファブの製造
米国テキサス州シャーマン (SM1、SM2、SM3、SM4)
2021 年 11 月に発表のあったこの拠点は、長期的な需要に対応できるように、4 つのファブ (工場) を設置して運用することが可能です。現在は建設の進行中であり、最初のファブは 2025 年に製造を開始する予定です。
米国ユタ州リーハイ (LFAB1、LFAB2)
2021 年に LFAB を購入し、2022 年に 300mm ウェハーの製造を開始しました。2023 年 2 月に発表したように、同じ敷地内に 2 番目の 300mm 半導体ウエハ ファブを建設し、既存のファブと連携して運用する予定です。
米国テキサス州リチャードソン (RFAB1、RFAB2)
RFAB1 は、世界初の 300mm アナログ ウエハ ファブとして 2009 年に操業を開始しました。最初のファブと連携して運用する 2 番目の 300mm ウエハ ファブは、2022 年に製造を開始しました。
米国テキサス州ダラス (DMOS6)
DMOS6 が 300mm アナログ製造技術の稼働を開始したのは 2014 年であり、TI の中では早い時期の 300mm ウエハ ファブの 1 つです。
TI の社内製造能力の利点
TI の目標は、お客様が必要とする場所と時期に製品を提供することです。TI のフレキシブルな製造方針とサプライ チェーンの管理を通じて、現在と将来の需要に対応できる供給をより確実に実現するとともに、予測不可能な市場に対処できるように堅牢な事業継続プロセスを採用しています。85% 以上の製品は複数の拠点から供給できる体制を維持しているので、お客様への配送期間を短縮できます。
TI は 45 ~ 130nm のプロセス ノードへの投資と製造能力強化を進めています。これらのノードは、アナログ製品と組込み製品の幅広い製品ラインアップに必要な最適なコスト、性能、電力、精度、電圧レベルを達成できます。これらの技術への投資にあたって、TI はこれらのノードの重要性と長期的なニーズを認識し、今後数十年にわたって必要な製品をお客様に提供できるようにしています。
TI は、持続的で責任のある製造を実施できるように、以下のような長期的な取り組みを実施しています。
- 工場の装置や排出物低減技術のアップグレード、代替エネルギーの使用量の増加を通じて、エネルギーと温室効果ガスの排出量を削減
- 会社の廃棄物と余剰原材料のうち 90% 近くを再利用またはリサイクル
- TI は多くの水を再利用し、毎年数百万ガロン (1 ガロンは 3.79 リットル) を節約
- 構造的な効率と持続可能性に関する LEED Gold の各種規格に適合して新しい各種施設を設計